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カープ異例の緊急補強!新助っ人シャーホルツは救世主となりうるか?

カープが新助っ人としてメジャー通算52本塁打のネイト・シャーホルツの獲得を発表した。メジャー時代の成績からシャーホルツの活躍の可能性を占うとともに、異例の緊急補強の意図と余波を考察する。

2015/04/05

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堅実な守備で確実に貢献

 一方、守備面ではかなり期待がもてそうだ。守備範囲はメジャーの平均以上、データでも通算守備防御点+20、UZRも21.8と良い数字を出している。強肩かつ送球も正確なため安心して外野のポジションを任せられる選手だ。
 654試合中633試合とキャリアの大半をライトで出場しており、カープでもライトのポジションを与えられる可能性が高い。ただ昨年は外野3ポジションを守っており、他の外野手の調子に合わせて流動的な起用もできる。脚もあるが、30盗塁に対し失敗が21と盗塁のセンスには欠けるといえる。

 カープのシャーホルツ獲得の狙いは、開幕から6試合でわずか19得点の貧打に加えて、中軸を期待されたエルドレッドは長期離脱、4番グスマンも怪我で登録を抹消されるなど苦しい打撃陣の早期改善だろう。もちろん故障者さえ戻れば本来の層は決して薄くない。エルドレッド、グスマン、ロサリオの助っ人3人に加えて不動のレギュラーの丸やルーキーの野間、岩本、松山、天谷、鈴木誠也らもおり外野手に関してはむしろ豊富だとすら言える陣容だ。

 外国人枠の問題もある。野手3人に加えて投手にはヒース、ジョンソン、ザガースキーもおり、故障者が出なければ4枠しかない外国人枠を7人で争うことが予想される。ジャイアンツ時代に出番減少の不満をメディアにぶちまけて放出された過去のあるシャーホルツは特に扱いの難しい選手。緒方新監督の操舵技術に期待したい。

 不安要素を多く述べてきたが、この時期に獲得できる選手としてはシャーホルツが実力、実績ともにかなり高いレベルにあるのは間違いない。異例の緊急獲得や1年目の外国人選手では球団史上最高額となる116万2000ドル(約1億4000万円)の投資からも今年に賭けるカープの球団の熱い想いが伝わってくる。ルーキー時代の背番号57を背負って挑む新天地、シャーホルツは赤ヘル軍団を救えるだろうか。

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