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“ケタ違いの飛距離”証明の清宮、昇格時期は? バランス保った起用法求められる【小宮山悟の眼】 

北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎内野手が、ファームの試合で本塁打を連発。体調を崩し力を発揮できずにいたが、ここにきてようやく持ち味を見せる活躍をしている。果たして1軍昇格はいつになるのか、そして起用法はどういった形になるのだろうか?

2018/04/23

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レギュラー奪取には結果を出し続けることが必要

 日本ハムは、ファームでの打席数より1軍で経験を積ませるという育成方針なのだろう。清宮が1軍に昇格しても成績はそれほど気にしないのではないか。試合に出場させながら育て、1日でも早く1軍レベルの肌感覚を養わせたいという考えだと思う。
 
 経験不足が露呈するだろうが、ルーキーだから仕方がない。清宮は2、3年後にレギュラーを張る選手だ。1年目の成績がレギュラークラスに伴わずとも、1軍の試合に出ることに意義があるということだ。
 
 ファームの試合を見た限りでは、高校時代に課題だった守備もしっかりしてきた。そつなくこなしている印象だ。
 
 しかし、現在の一塁は中田。清宮に一塁を守らせて、中田を左翼にして成績がでなかったら交代させなければならない雰囲気になるだろう。一つの方法として、清宮をスタメンで出場させながら2打席で交代させるという案もあるだろう。
 
 最も懸念されるのは、レギュラーが確約されているという印象を与えてしまうことだ。必死にもがいてレギュラー獲りを目指すほかの選手が腐ってしまう可能性がある。いかにバランスを取るか。
 
 ただ、若い選手がポジションを争うということは、プレッシャーを乗り越えなければならないということだ。ファームから抜擢され、レギュラーを奪うには結果を出し続けて周りを納得させる必要がある。
 
 私がともにプレーした選手の中で例を挙げると、ロッテの福浦和也内野手がいる。当時、1軍の練習に参加したこともない選手だったが、急きょファームから呼ばれて1軍に合流し、先発出場。派手な活躍ではなかったが、1軍のレギュラーとして数字を残した。

 清宮の実際の昇格がいつになるかはわからないが、近々実現するならオールスターが一つの区切りになるだろう。日本ハム・栗山英樹監督は、清宮を目の届くところに置いておきたいという思いもあるだろう。清宮の調子、チームの状況を考慮し、様々な起用法を探りながら判断を下していくことになる。どのタイミングで決断が下されるのか見ものだ。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
 
 
氏原英明

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