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オープン戦成績がシーズンに及ぼす影響は? 勝負は最後の1週間【小宮山悟の眼】

プロ野球の開幕まで1カ月を切り、オープン戦が本格化してきた。今回はオープン戦の成績がシーズンに与える影響を考えたい。

2018/03/08

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重要なのはオープン戦終盤

 真剣勝負に近い形式になるのは、ローテーションを務める投手が長いイニングを投げ始める最後の5、6試合だろう。ここが本当の意味でチームの骨格部分を形成する時期となる。若い選手はこの時期にメンバーに入れるかが重要だ。
 
 またレギュラーの次に位置する選手は、オープン戦序盤の時期は結果が出やすいとも考えられる。先にあるように、序盤は1軍の試合経験がないような選手と対戦する可能性があるからだ。しかし、そこで結果が出たからシーズンも活躍できるという指標にはならない。最後の1週間、最後の5、6試合でどういうパフォーマンスができるかが重要なのだ。
 
 もちろんオープン戦でいい結果を出すことは悪いことではない。好成績は、本人にしてみたらうれしいだろうし、自信にもつながる。ただ、それがシーズンに生かされない選手がいるのは、オープン戦の結果に安心してしまっているからだろう。「あくまでもオープン戦」と口にする人も多いが、選手自身に隙があることも多い。
 
 私が現役のころのオープン戦期間中には、新外国人や注目選手を抑えるのではなく、探りを入れるように投球したことがある。インコースばかりに投げ、相手打者の対応力を見たり、甘い球への反応を観察したりした。オープン戦はいろんなことを試す場でもあるので、この時期の好成績がシーズンにつながらないのは、そういった試験的なプレーも関係しているかもしれない。
 
 さらにオープン戦で結果を残すと、開幕後のマークが厳しくなる。シーズン中には大きな壁となって立ちはだかるが、それを乗り越えていかに結果を残すか。結果を出せないやつは、プロを立ち去るしかない。そういう世界なのだ。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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