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ドラ4菅野剛士、前へ。ドラフト指名漏れから2年「遠回りではなく貴重な時間だったと証明する」【マリーンズキャンプ通信2018#4】

2015年ドラフト会議から2年――辛い経験を糧に社会人野球でさらに成長し、2017年マリーンズドラフト4位で入団した菅野剛士。明大時代のチームメートたちと、ようやく同じスタートラインに立った。

2018/02/15

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千葉ロッテマリーンズ



大学時代のチームメートの活躍を刺激に

 悔しさを糧に過ごした社会人時代。すべてを野球に費やした。自信のある打撃でアピールをする一方、不安のある守備を磨くことに時間を費やした。1年からレギュラーとしてクリーンナップを任され夏の都市対抗では準優勝に貢献し若獅子賞も獲得。秋の選手権でもベストナインに選ばれると2年目も活躍。2017年秋にドラフト4位でマリーンズに指名され晴れてプロへの道が開かれた。
 
「単純に嬉しい気持ちと同時にやっとスタートだなあと思いました。自分の思っていた場所にやっとたどり着いた。今から本当のスタート。これからが大事と気持ちを引き締め直しました」
 
 プロ入りする上での手ごたえは明治大学時代のチームメートの存在が大きかった。あのドラフトでタイガースに1位指名された高山は1年目で新人王を獲得。誰よりもその能力を知っていただけに大きなモチベーションとなった。それと同時に活躍する上での大体の目安を自分の中で作り上げることが出来た。そして2年の時は流れ、ようやく同じスタートラインに立てた。
 
「遠回りではなかったか、どうか。それはこれからの自分の頑張り次第だと思います。チャンスでの勝負強さでアピールをしていきたい。そしてまずは開幕スタメンを掴みたい」
 
 石垣島で行われた春季キャンプ。菅野はその積極的な打撃でアピールを繰り返している。「体を回転させながら見事に打っている」と首脳陣の評価も高い。社会人時代の2年間が遠回りではなく貴重な時間であったことを証明するために必死の日々を送っている。
 
 プロに入ってから今後の野球人生の軸になるような言葉を探していた。思いついたのは「前へ」という言葉だった。母校・明大の誰もが知っているラグビー部の象徴的な言葉。「最近になって、ああ、いいなあと思うようになりました。どんな時もすぐに前に向かっていかないといけないと思う。それがプロ」。始まったばかりのプロ野球人生。辛い時も苦しい時も壁にぶつかった時もとにかく前へ、ためらわず前へ。あの時の悔しさをバネに栄光を掴むためには歯を食いしばりながら、とにかく前に向かって進むしかいない。

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