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SBゲレーロ通訳「いつか日本で指導者に」。一軍登板は叶わずも、新たな夢を掴むため【インタビュー】

NPBでプレーする外国人選手は、様々な事情や思いを抱えている。現在、福岡ソフトバンクホークスで通訳を担当しているウィルフィレーセル・ゲレーロ氏は、かつて広島東洋カープの練習生として来日した経歴を持つ。ゲレーロ通訳は、目標だったNPBでの一軍登板は叶わなかったが、日本での新たな夢のために邁進している。(取材・文:高橋康光)

2018/02/03

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Yasumitsu Takahashi



ドミニカからジャパニーズドリームを掴むため

 毎年多くの外国人プレーヤーが来日するが、それから先の運命は十人十色である。成功を掴むもの、失意のままに帰国するもの、他国でプレーを続けるもの、引退するもの…。日本で名球会入りし、監督の座についた横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督はジャパニーズドリームを掴んだ筆頭と言えるだろう。その一方で、遠回りしながらも、ジャパニーズドリームを掴む途上にある人物がいる。ウィルフィレーセル・ゲレーロ氏がその人だ。
 
 現在福岡ソフトバンクホークスの通訳として働くゲレーロ氏は、ドミニカ共和国出身の31歳。広島東洋カープの育成選手として、独立リーグのプレーヤーとしてご記憶のファンもいるかもしれない。日本の一軍でのプレーという夢が破れたものの、通訳という新しい仕事を通じ、新たな夢を得た彼の数奇な野球人生を紹介したい。
 
 ドミニカ共和国の首都サントドミンゴから南西へ1時間半ほどの海沿いの小さな町、ニサオが彼の地元だ。195センチ、110キロという巨体は遠くからでもひと際目立つ。束の間のシーズンオフを家族とゆっくり過ごしている彼を訪ねてみた。
 
――リバン・モイネロ、オスカー・コラスの両キューバ人選手の通訳として2017年5月にホークスに加入したわけですが、元々は広島の練習生として2008年に来日したところから日本との関係が始まっていますね。
 
 「はい。メジャーリーグのアカデミーと契約に至らずに、ドミニカのカープアカデミーに入ったのが20か21歳ぐらいでした。当時はただ投げているというだけで、MAXも135キロ程度でしたが、アカデミーで指導を受けたら、短期間で145キロとか出るようになり、若くて体も大きいということで期待してもらい、日本へ行くこととなりました」

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