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新人合同自主トレの意義、アマからプロへの意識改革。球団に求められる的確な判断とは【小宮山悟の眼】

年が明け、プロ野球の新人合同自主トレが始まった。各球団のルーキーたちは、多くの観客や報道陣を前に練習に取り組んでいる。今回は新人合同自主トレの意義について考えたい。

2018/01/22

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“サインも仕事”、ファンサービスの学びの場に

 今年に関して言うと、“大型新人”と騒がれる清宮幸太郎がいる北海道日本ハムファイターズの新人合同自主トレに注目が集まっている。週末には1日に1千人もの観客が詰めかけることもあったという。
 
 特に清宮の人気が高く、多くのサインを求められることは大変だという声もある。だが、これまでのアマチュアでの環境とプロフェッショナルの違いを植え付けるには、ファンサービスはいい機会と言える。ユニホームに袖を通す前に“学びの時間があり、球団も“サインもプロの仕事”と教育の場としてとらえていることだろう。
 
 加えて、多くの観客の前で練習することはプロとして重要な時間だ。清宮は早稲田実業のころから慣れていると思う。そうでない選手にとっては、大勢のファンの前での練習はプロでの雰囲気に慣れることができ、なおかつ存在感を見せつけられれば人気にもつなげられる。
 
 球団側は、新人合同自主トレだけでなく春季キャンプも含め、選手のことを把握しきれていない段階で指導に当たる難しさを肝に銘じておかなければならない。
 
 年明けで体ができあがっていないのは当たり前だが、ルーキーは首脳陣にアピールしようと無理をする場合がある。球団側は選手の頑張りすぎを抑制する必要がある。体の動きや養生から慎重に見極めなければいけない。
 
 首脳陣は春季キャンプの1、2軍メンバーの振り分けを判断したいという考えがあるだろうが、あまり表に出しすぎると選手の頑張りすぎを生むことにつながる。
 
 ただ、ルーキーだけというシステムは、のびのびトレーニングできる環境であることは間違いない。2月1日からのキャンプでは、プロのスター選手と同じグランドに立つことになる。気後れしないように合同自主トレを準備の期間として大事にしてほしい。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
 

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