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二刀流・大谷、成功生むサプライズ続きの決断。「想定外」のエンゼルス移籍に高まる期待値

北海道日本ハムファイターズからメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスへの移籍を決めた大谷翔平投手。大方の予想を裏切る「想定外」の選択となったが、9日(日本時間10日)の入団会見では早くも現地ファンから熱烈な歓迎を受け、期待の大きさをうかがわせている。

2017/12/12

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大物OBを黙らせた二刀流の成功

 そして入団後、日本ハムの栗山英樹監督は入団交渉で提示していた通りに大谷に対して二刀流の育成プランを実施した。
 
 しかしながら各メディアの反応は話題にこそしながらも「出来るわけがない」とほとんどが冷ややかで、大半のプロ野球OBら有識者たちからも「投手か打者のどちらか一方に絞るべきだ」「プロの世界をなめている」などという厳しい指摘が飛び交った。
 
 実を言えば当時、メディアの中に「大谷はドラフトで強行指名を受けてもメジャー挑戦の意思を貫く」と予想していたものの覆されて赤っ恥をかかされた格好となったからか、日本ハムと大谷側の間にあらぬ密約説を疑っていた関係者も少なからずいた。
 
 だから、その一部のメディア関係者たちは私怨もまじえながら入団当初の大谷にあえてヒール的な目を向けようとしていたところもあったのだ。だがそれは見当違いも甚だしく、事実無根であった。
 
 そして大谷はその後、順調にステップを踏んで二刀流プレーヤーとして開花。それまで二刀流に否定的だった一部メディアだけでなく、プロ野球OBたちも見事な結果を出したことによって黙らせた。どこかの民放局で今も我が物顔のように振る舞うウルサ型の某大物OBが二刀流について当初は何かと酷評していたものの、ここ最近は大谷の話題で無意味な「喝」を連発しなくなっているのも、その1つの好例と言えるかもしれない。
 
 いずれにせよ日本プロ野球界で前人未到となる二刀流プレーヤーを実現させたことでも大谷は我々の予想をいい意味で覆し、歴史を大きく変えたのだ。
 
 今回のメジャー挑戦でまたしても大谷は予想だにしなかったサプライズを選択した。日本が誇る二刀流プレーヤーはここまでずっと予測不可能な道のりを選び続け、まい進することで驚きの結果を残して歴史も築き上げてきた。本命と目されていたパドレスやマリナーズに行かなかったこともよく考えれば、大谷らしい決断だ。
 
 だからこそエンゼルス入団が新たなサクセスストーリーのスタートラインとなることを期待したい。

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