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なぜ大谷は米国で大人気に?低年俸・二刀流など…現地サイトが要因を分析

2017/11/22

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 ポスティングシステムの新協定が22日に合意へ至り、いよいよメジャーリーグ移籍までのカウントダウンが始まった、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平。米球界での注目度は非常に高くなっており、ほぼ全ての球団が獲得に向けて動き出すようだ。
 
 カナダのスポーツサイト「ザ・スコア」では21日(日本時間22日)付で特集を掲載し、なぜ各球団が大谷の獲得を目指すのか分析。記事では、大谷が今オフに人気を博している理由として、大谷が金銭面よりも条件を重視していること、本当に投打で実力を有していること、ローリスクで獲得できることの3つを上げた。
 
 メジャーリーグでは、キューバやドミニカ共和国といった国から選手を乱獲していたという背景から、昨年12月に25歳以下のドラフト外の外国人選手の獲得を制限するルールが策定された。米国のドラフト対象外の大谷もこの例外ではなく、24歳の来季は年俸に制限が加えられる。
 
 しかし、大谷は年俸が低いことを承知でメジャー挑戦を決断。この選択に米国では驚きの声が上がったが、これにより一層争奪戦が激化することになったようだ。
 
 また、大谷が西海岸か東海岸かという希望や、強豪チーム、もしくは再建期に突入したチームに加入したいのかという意思が不明なことも紹介。そのため、記事では「大谷自身が望む選手像を目指すことができる球団と契約することが望ましい」と金銭面に固執せず、自らの意向を尊重してくれる球団と契約を結ぶことを推奨している。
 
 また、実力が未知数な他の若手有望株よりも、投打で高いポテンシャルを有しているというところも人気の要因として上げられる。NPBは田中将大、ダルビッシュ有、岩隈久志といったメジャーでも主力級の投手を輩出しており、投手成績で彼らに匹敵するだけでなく、打撃でも優秀な成績を残している大谷は米球界でも投打で戦力になると見られているようだ。
 
 メジャーリーグでは1964年のウィリー・スミス以来、30イニング以上を投げて350打席以上に立った選手がおらず、大谷はやはり”ベーブ・ルースの再来”としての期待が高まっている。そして、同記事では「先発・外野・DHを必要としていないチームでも、彼の才能を考えればチャンスを与えるのが妥当」と評している。
 
 また、年俸が低くローリスクで獲得できることも人気の理由となっているようだ。
 
 今回の大谷については支払金額に上限があるため、仮に獲得を決め、日本ハムへの譲渡金を支払ったとしても、近年の先発投手の相場に比べると非常に”お買い得”であるとされている。
 
 記事内では、かつてレッドソックスが松坂大輔とルスネイ・カスティーヨを、ドジャースが今季は中日でプレーしたアレックス・ゲレーロ、ヘクター・オリベラを高額で獲得したが、いずれもコストに見合う活躍は出来ずに退団したことを紹介。
 
 有望株の獲得には資金が必要となるが、今回の大谷の場合は労使協定の影響で諸々の支払額が決まっているため、以前のように大金を支払う必要がない。そのため、資金面で不安を抱えるチームでも、資金が豊富なチームのように大谷と交渉することができる。
 
 また、記事では「大谷のように大きな可能性を秘めた選手が、このような低年俸で米球界に移籍するのであれば、特に資金面にあまり余裕のないチームほど獲得に本腰を入れるべきだ」と評している。
 
 他のFA選手の契約にも影響が出ることから、ポスティングの交渉期間も30日から21日まで短縮された大谷。年内にも移籍先が決まる可能性が高いが、果たして来季はどのチームに所属することになるだろうか。