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アジアプロ野球CS、きょう開幕。問われる大会の意義、稲葉采配と若手の台頭に注目

「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」が16日、東京ドームで開幕する。日本、韓国、台湾の3チームが総当たり戦を行い、上位2チームで優勝を争う。メンバーは、24歳以下もしくは入団3年目未満(オーバーエイジ枠3人)で構成される。

2017/11/16

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U-24メンバーに期待される台頭

 今大会のもう一つのポイントが若手の台頭だ。
 
 今年3月のWBCのメンバーをまず整理したい。下記は準決勝のアメリカ戦のスタメンだ。
 
(指)山田哲人(ヤクルト)
(二)菊池涼介(広島)
(右)青木宣親(メッツFA)
(左)筒香嘉智(DeNA)
(一)中田翔(日本ハム)
(遊)坂本勇人(巨人)
(三)松田宣浩(ソフトバンク)
(中)秋山翔吾(西武)
(捕)小林誠司(巨人)
 
(投手)菅野智之(巨人)
 
 2020年までのチーム構成は、前回のWBCのチームを踏襲しながら、世代交代を図るべきポジションを考えていく必要がある。
 
 投手は年度の状態によって変化していくだろうから、とりわけ侍ジャパンの課題となっているのが三塁手だ。
 
 この2大会は松田宣浩(ソフトバンク)が中心だった。彼も今年34歳になり、さすがに代表の第一線でというのは厳しくなりつつある。今年の内川聖一(ソフトバンク)が果たしたような役割をという期待はあるかもしれないが、レギュラー・三塁手の人材探しは急務だ。
 
 U-24に限らなければ、今年のセ・リーグ首位打者・宮崎敏郎(DeNA)が一番手に挙げられるだろうが、今回の代表チームからも台頭を期待したい。当然、稲葉監督は視野に入れているはずだ。
 
 今回のメンバーでは西川龍馬(広島)、中村奨吾(ロッテ)を招集。彼らにとって大いなるチャンスだろう。また、フルメンバーの遊撃手は、坂本勇人(巨人)が正レギュラーだが、彼を三塁に回して、遊撃手に一人入れるというという戦略がこの先は考えられるだろう。その際に源田壮亮(西武)や、今回は二塁手の出場になる京田陽太(中日)の力量も見極めたい。
 
 三塁手の次に競争が予想されるのが一塁手と捕手だ。
一塁にはこの2大会は中田翔(日本ハム)が君臨。しかし、今季の成績を見る限りでは彼の座を脅かす存在が出てきて欲しい。今大会で4番を打つ山川穂高(西武)がアピールに成功すれば、し烈な争いとなるだろう。
 
 正捕手も定まっていないのが現状だ。
 
 今年のWBCで正捕手を務めた小林誠司(巨人)が東京五輪以降も中心になれる存在だが、そう高いレベルのレギュラーではない。そこに入っていくのが、今大会にメンバー入りしている田村龍弘(ロッテ)と甲斐拓也(ソフトバンク)。ともに12球団屈指の強肩の持ち主で小林とも張り合える存在だ。スローイング以外で長けたものを見せつけられれば、この先のレギュラーは分からない。
 
 外野手は狭き門となるだろう。秋山翔吾(西武)、筒香嘉智(DeNA)、鈴木誠也(広島)がレギュラーとしてほぼ確定だろう。そこに柳田悠岐(ソフトバンク)、西川遥輝(日本ハム)、丸佳浩(広島)、中村晃(ソフトバンク)がどう絡んでくるか。それほどレベルが高く、今大会メンバーのオコエ瑠偉や上林誠知ら若手がどこまで正レギュラーメンバーに迫れるか。右打者が少ない分、オコエと桑原将志(DeNA)には可能性があるかもしれない。
 
 初開催となるアジアプロ野球チャンピオンシップ。U-24 の戦いにどこまで注視すべきかという難しさはある。稲葉采配、2020年へ向けた若手の台頭。特に三塁手に注目したい。

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