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ドラ2・西村天裕は即戦力の期待大。社会人で叶えられなかった夢をプロで!【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#64】

先日トヨタ自動車Vで幕を閉じた社会人野球日本選手権には、10月のドラフト会議で指名された社会人選手も多く出場した。個人的に注目したのは、ファイターズドラフト2位のNTT東日本の西村天裕だった。

2017/11/18

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仮想「日ハムvsロッテ」のドラ2対決も実現

 たぶんハムファンとロッテファンは来季の前哨戦のつもりでこの試合に見入ったと思う。仮想「日ハムvsロッテ」のドラ2対決だ。もしかするとオリックスファンも福田周平、藤岡裕大の「オリックスvsロッテ」遊撃手対決として熱い視線を注いだかもしれない。ゲンキンなもので「この選手が入団してくるのだ」と思って見ると、見え方が一変する。僕なんかNTT東日本の野球帽(以前、NTT東日本主催の作文コンクールの審査員をしたときに広報の方からもらった)をかぶって、見かけ上は熱狂的なNTT東日本ファンだ。頑張れ西村! 唸れ剛速球!
 
 西村は顔がいい。愛嬌のある明るい顔だ。気持ちが出ている。球速以上に素晴らしいのは、打者に向かっていく姿勢だろう。まっすぐの速さと闘志と、ピッチャーにとって必要なものを二つ備え持っている。「いかーん、球がひっかかった」みたいなときにベロを出すクセがあるんだね。いいキャラしてそうだなぁ。一度話が聞いてみたい。
 
 変化球はタテ割れのスライダーが良かった。タイミングを外すブレーキングボールだ。緩急主体だったら先発向きじゃないかと思う。社会人では先発、リリーフと色んな場面で起用されたようだが、ファイターズ投手陣のなかでどんなポジションにおさまるのか。あのスピードボールがあって、落ちる球をあれば抑え候補にもなり得ると思う。まぁ、適性を見ながら考えていけばいい。僕の見た感じではロングリリーフで使って、ローテの谷間で先発を任せてみるイメージかなと思う。
 
 注目の仮想「日ハムvsロッテ」ドラ2対決、3番・藤岡裕大との勝負だが、2打数1安打で、残念ながら藤岡の優勢勝ちというところじゃなかったか。第1打席はさんざん粘られながらどうにか空振り三振に切って取り、第2打席は内角球をうまく腕をたたんでセンター前にはじき返された。2塁走者がいたので危うくタイムリーになるところをチームメイト伊藤亮太の好返球に助けられ、ホームで殺すことができた。藤岡は打撃センスあるなぁ。必ずプロでもぶつかるだろう。西村は今度はきりきり舞いさせること。
 
 もちろん西村の意識は藤岡個人との勝負より、試合全体に向いていたことだろう。この試合は4イニング投げて2失点で降板だった。マッチアップしたトヨタの先発左腕、富山凌雅の出来がバツグンだっただけに、何とかガマンの投球を続けたかったところだ。深手を負う前に継投となったが、理想を言えば「接戦のまま後半戦まで耐える」のが先発の役目だ。チームはベスト4で敗れ、都市対抗との2冠の夢は潰えてしまった。集大成のマウンドとしては悔いを残しているだろう。
 
 が、悔いを残してのプロ入り上等だ。これからもっと高いレベルで野球をするのだ。おなかいっぱいで来てもらうより、食い足りないくらいの心理状態がいい。日本一に飢えてほしい。そしてそれは社会人日本選手権でなく日本シリーズで叶えてくれ。西村天裕投手、ファイターズへようこそ! 1年目からバリバリ働いてもらうよ。
 
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