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DeNAがソフトバンクと互角に渡り合えた理由。“前を向け”選手変えた指揮官の姿勢

福岡ソフトバンクホークスの日本一で幕を閉じた2017年シーズン。日本シリーズは、横浜DeNAベイスターズが圧倒的不利という下馬評を覆し、接戦を演じた。パ・リーグ王者と互角に渡り合えた理由はどこにあるのか。

2017/11/08

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DeNAを精神的に強くした指揮官の存在

 ソフトバンクが追い込まれていた。
 
 シリーズ第1戦は10-1で完勝。第2戦は相手ミスからつけ込んで逆転。第3戦も追いすがる相手をいなした。3戦3勝。この時点で、すでにシリーズの結末は見えたという見方は少なくなかった。
  
 しかし、シリーズは急展開。第4戦はDeNAの先発、ルーキー・濱口遥大が好投を見せて6-0でものにすると、翌日の第5戦は5-4で競り勝った。第6戦は9回1死までリードする展開で試合は延長11回までもつれる大熱戦となった。最後は守護神・サファテの3イニング投球でソフトバンクに勝利がもたらされたが、捨て身ならざるを得なかった。
 
「現役時代も含めて、こんな緊張してドキドキ、ハラハラした日本シリーズはなかった。7戦目もよぎりましたけど、きょう勝つしかないと思った。DeNAは投げる方も、打つ方も思い切ってやってくる。本当に強かったです」
 
 工藤公康監督はそう振り返った。
 
 圧倒的不利が伝えられながら、最後はパ・リーグ王者を追いこんだ。DeNAはなぜソフトバンクと互角に渡り合うことができたのか。
 
「監督の存在が大きいと思います」
 
 キャプテンの筒香嘉智が力強く語った。シーズン中からラミレス監督について、「誰もが尊敬している人」と話していた。
 
「常にいい雰囲気でやるようにと監督に言われていて、監督自身がいい時も悪いときも何も変わらないので、選手たちがやりやすい環境をつくってくれています。僕たちが分からない苦しみや我慢している部分はたくさんあると思いますけど、それを表情にも態度にも出さない。そういうことができる人を僕は見たことがない。凄い監督だなと思います」
 
 ラミレス監督が指導者として優れているのは、起用した選手を信じ、勝敗に一喜一憂しないところだ。
 
 試合の敗戦の要因は、守備のミスや投手の乱調、主砲の三振などが挙げられる。しかし、ラミレス監督は敗因ばかりに目を向けない。常にポジティブに物事を考え、選手たちにもその思考を植え付けようとする。
 
 このシリーズでも1番の桑原将志が12打数無安打で、敗戦のやり玉に挙げられていた。だが指揮官は、「彼はそのうち打ち出すだろう」と予言。実際に結果が出ると「CSのときも桑原は最初、調子が悪かった。でも途中から打ち出した。今は誰もCSの序盤に彼の調子が悪かったことを覚えていないだろう。このシリーズも同じになるはずだ」と語った。

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