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セイバーメトリクスで考える17年ベストオーダー。一発勝負の最強布陣は?<セ・リーグ編>

熱戦が繰り広げられた日本シリーズが終わり、2017年も野球のシーズンの幕が閉じた。最優秀選手(MVP)やベストナイン、ゴールデン・グラブ賞といった記者投票による表彰選手が発表される。それに先立ち、記者の視点とは異なる、今シーズン残された数多くの記録を組み合わせた総合的な評価からベストオーダーを考えてみることにする。まずはセントラル・リーグから検討していこう。

2017/11/08

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ショートは坂本vs.田中、セカンドは強みの異なる選手がしのぎを削る


 18人が守備に就いたショートは、巨人の坂本勇人と広島の田中広輔が抜け出している。攻撃での貢献を表す数値では坂本が24.9点、田中は27.3点、守備では差がついており坂本が10.6点、田中は-0.9点。田中は坂本に守備で大きく差をつけられたが、攻撃では上回っている。これはリーグトップの出塁能力(出塁率.398)などが反映されたためだ。打撃とは別に田中は走塁での働きでも高い値を記録していることなども考慮すると、総合的に見てもほぼ遜色ない働きとなっていいだろう。しっかり出塁し走力を生かして生還するという、リードオフマンに求められる能力に重きを置くなら田中。守備面を求めるなら坂本という判断になるだろうか。
 
 サードはDeNAの宮崎敏郎が最有力候補になるだろう。セ・リーグで守備に就いたサードが41人いたことからもわかるように、固定され出場機会を重ねた選手はあまり多くない。その中で宮崎は564打席、1008イニングの出場を果たし、かつ高打率を残したことで数値が伸びた。シーズン途中で二塁に回った巨人のケーシー・マギーは三塁手としての出場機会の面でやや印象が弱まったのと、守備で宮崎に及んでいない。打撃成績が回復した鳥谷も好値を記録したが、守備が今ひとつだった。
 
 セカンドはヤクルトの山田哲人、広島の菊池涼介、阪神の上本博紀、そして三塁部門でも名前の挙がったマギーが候補となる。非常にレベルの高い選手が多く選考は難しい。それぞれの特徴としては、マギーが.413、上本が.366、山田が.364と高い出塁率を記録しているのに対し菊池のみ.311とあまり高くない。四球の少なさが響いている。(セ・リーグ平均は.318)。
 
 一方で菊池は守備面に強みを持っているが、今季は体調面の不安も伝えられており、それほど大きな差はつけられていない。山田は長打力に長けており、セカンドでは最多の24本塁打を記録。上本は出塁力だけではなく、走塁での貢献もあった。得点の入りにくい甲子園球場をホームとしていたことも加味すると、ネームバリューのある菊池と山田にも決して引けを取らない成績だったと考えることもできる。
 
 マギーはセカンドとしての出場時の打率は.341と図抜けており、わずか254打席で山田と変わらないだけの貢献を打撃で記録している。ただ、最も打席に立った菊池の629打席の半分よりもっと少ないことを考えると、マギーをベストのセカンドとしてよいものかは悩ましい。ポジション別の評価では、シーズン途中でポジションを変えた選手の扱いは難しく、ユーティリティプレーヤーを別に評価するような形があってもよいのかもしれない。
 
 ファーストはDeNAのホセ・ロペスで間違いない。攻守で数字を伸ばし、他の選手を寄せ付けなかった。ただ、実はロペスと同じかそれ以上の数字を記録していたのが広島の“ファースト陣”だ。広島は新井貴浩、ブラッド・エルドレッド、安部友裕らで出場機会をシェアしたが、各々が優れた数字を記録していて、打撃については合算するとロペスとほぼ同じ数字になる。
 
 キャッチャーは広島の會澤翼が打撃で引き離している。併用されたため打席数はそこまで多くないが、出塁率.339、長打率.390とキャッチャーの中では図抜けた成績を残した。守備については盗塁阻止と捕逸の少なさ、失策の少なさによる評価で、リードなどは考慮していないものの、これらの要素で會澤が打撃でつくった差を詰めることができたキャッチャーは見当たらなかった。キャッチャーは併用する球団が多く打席数のばらつきが大きい。そのため個々の選手の比較が難しいが、「キャッチャーとして多くの出場を果たし、その上で攻守で一定の質を保った」という見方からは、ヤクルトの中村悠平なども評価を与えるべきか。

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