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ロッテ・井口、最有力は監督もかつて語ったGMへの夢。メジャー経験生かす引退後の道は?

千葉ロッテマリーンズの井口資仁内野手が9月24日、引退試合を終えた。デビュー戦で史上初の満塁弾を放った井口らしく、最後の試合でも本塁打が飛び出し、有終の美を飾った。セレモニーで「最高の野球人生だった」と語り、その今後に注目が高まっている。

2017/09/25

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井口が語ったGMへの想い

 かつて引退後について、日本の指導の在り方や日本ではまだ定着していないGMという役職についてその想いを語っていた。
 
 「将来的にはGMをやってみたいという想いはある。日本では選手あがりのフロントはそんなに多くない。それが選手の意見が通りにくい環境につながっている部分もある。GMとして予算内でどう選手を回していくかとか考える仕事に興味はある」
 
 さらにメジャーでの経験からこう語る。
 
 「日本はトレードが頻繁ではない。埋もれてる選手がいっぱいいて、トレードを活用して選手をフルに使えるようにしていきたい。メジャーで言うルール5ドラフトを日本に入れるとか、選手にプラスになるシステムを考えていきたい」
 
 指導の在り方については「日本の良いところを残して、応用の部分、遊びを増やした方がいい。日本球界はこうしなきゃいけないと固定されていることもある」と指摘した。
 
 「中南米の選手が来ると、練習してないとか軽いプレーはだめだとかいろんなチームの指導者が言うんですけど、彼らはしっかりやってる。そもそも何が重くて、何が軽いのか。指導者が考え方を変えないといけない。選手は個人事業主だから、自分で責任を取らなくちゃいけない。やらせる練習じゃなくて、自分で考える練習じゃないと」
 
 井口が監督かGMに就任することになれば、メジャー経験者が重要な役職を担い、野球界を前進させるきっかけになるかもしれない。
 
 日本人のスター選手がメジャーに挑戦するたび、「野球界の空洞化」が叫ばれてきた。井口のときもそんな声が聞かれたが、日本人がメジャーに挑戦する本当の意義は、成功を収めたか否かだけではない。異文化を知った彼らが日本に帰ってきて、その経験をいかに落とし込むか。
 
 監督かGMか――。これほどの経験を持つ井口がどのように活躍していくのか。期待してやまない。

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