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三冠王も夢じゃない? 今シーズン、ヤクルトのバレンティンが『大復活』する3つの理由

東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティンが、ようやく日本に帰ってきた。昨年10月に受けた左アキレス腱手術からのリハビリで春季キャンプへの参加を見送り、現時点では開幕戦に出場できるかどうかも微妙。だが、本人にとっては不本意な成績に終わった昨シーズンから、今季は間違いなく『大復活』するであろう理由が3つある。それは何か……。

2015/03/12

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チームの積極補強でモチベーションも大幅アップ

 さらにこのオフ、FAで成瀬善久、大引啓次を獲得するなど、ヤクルトが積極的な戦力補強に動いたことも、バレンティン復活の理由に挙げられる。とかくマイペースに見られがちだが、彼は優勝への思いは人一倍強い。
 
「ホームラン王よりも、ヘンスリーみたいにスワローズでチャンピオンになりたい」
 
 これは来日1年目に、バレンティンが言っていたことだ。「ヘンスリー」とは、カリブ海に浮かぶバレンティンの故郷、キュラソー島が生んだ初のメジャーリーガーで、ヤクルトでもプレーしたヘンスリー・ミューレンス(日本での登録名はミューレン)。
 
 13年に日本で本塁打記録を樹立したことで、当地では「元祖メジャーリーガー」のミューレンスと、島が生んだ最高の野球選手であるアンドリュー・ジョーンズ(元ブレーブス、楽天ほか)のツートップに、新たに仲間入りした感のあるバレンティンだが、その2人の偉大な先輩にあって自分にはないものがある。優勝経験だ。
 
 ミューレンスはロッテを経てヤクルトに入団した1995年に、野村克也監督のもとでリーグ優勝、そして日本一を経験している。ジョーンズに至ってはブレーブスで96年から10年連続地区優勝を経験し、その後はヤンキースでも地区優勝。さらに来日した13年、まさにバレンティンがシーズン60本塁打の日本新記録を樹立したその年に、四番バッターとして楽天のリーグ優勝と日本一に貢献している。
 
「今のチームに足りないピースをキッチリ埋めるいい補強をした。みんながシーズンに入ってケガさえしなければ、チームとしていい結果を出せると思う」
 
 このオフの補強について彼はそんなふうに話しているが、戦力が整った今シーズンこそは自分も、という思いは強いはずだ。
 
 3日の練習後、改めて今シーズンの目標を聞かれたバレンティンは「去年以上の成績を残したい。トリプル・クラウン(三冠王)を獲れたらいい」と話したが、家族との平穏な生活を取り戻し、昨年は嫌というほど苦しめられたアキレス腱痛から解放され、さらにチームの戦力も整ったことでモチベーションも大幅にアップとなれば、今シーズンはどれほどの成績を残すのか。現時点では開幕戦に間に合うかどうかは微妙だが、万全の状態になって戻ってくれば、2年前には惜しいところで逃した「三冠王」もけっして夢ではなさそうだ。
 
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