大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



巨人、20代野手の17年成績は? 今季も若手の台頭ならず…深刻な内野手不足【死亡遊戯コラム】

 今シーズンも佳境に入り、読売ジャイアンツは9月14日時点で65勝61敗3分で3位。4位の横浜DeNAベイスターズと1ゲーム差。クライマックスシリーズ進出をかけたし烈な戦いが続くなか、投手陣はエース・菅野を筆頭に世代交代が進んでいる。一方、今季も20代の若手野手は伸び悩んでいる。

2017/09/15

text By



成績でみる若手野手陣、深刻な内野手不足

 ここでその坂本より年下野手の今季1軍打撃成績を見てみよう。
 
中井大介(28) 84試 率.227 4本 13点 2盗 OPS.611
橋本到(27) 67試 率.284 1本 6点 3盗 OPS.736
立岡宗一郎(27)62試 率.208 0本 10点 4盗 OPS.504
石川慎吾(24) 92試 率.248 5本 20点 2盗 OPS.688
重信慎之介(24)66試 率.148 0本 1点 10盗 OPS.421
山本泰寛(24) 28試 率.169 0本 3点 1盗 OPS.480
辻東倫(23) 18試 率.250 0本 1点 1盗 OPS.583
吉川尚輝(22) 3試 率.000 0本 0点 0盗 OPS.000
岡本和真(21) 14試 率.192 0本 2点 0盗 OPS.531
※年齢は2017年の満年齢
 
 まず目につくのが昨オフ、日本ハムから移籍してきた石川だろうか。92試合241打席で56安打(二塁打12、三塁打3)を放ち、打撃三部門でキャリアハイの数字を残している。
 
 早いもので27歳になった橋本も、打席数こそ少ないが7月21日に再昇格後は計39打数17安打の打率.436と猛アピール中。外野守備力はチーム屈指なだけに、来季はこの橋本と石川にレフト定位置争いを期待したいところだ。
 
 こうして見ると深刻なのは内野陣である。なぜ由伸監督は阿部、村田、マギー、坂本といったレギュラー陣を休ませずに使い続けたか? それは彼らをバックアップできるレベルの若手内野手が皆無だったからだろう。
 
 ただ、ドラ1ルーキーの吉川尚輝はイースタンで率.254 3本 30点 10盗。チームトップの18犠打をマークしており、まだ粗い面はあるものの二塁と遊撃守備でも非凡なプレーを見せている。内田2軍監督の評価も高く、コンディションさえ万全なら、2018年には1軍でそれなりの出場機会を与えられるはずだ。
 
 それにしても、巨人2軍は体制が代わる度に育成方針がリセットされているように感じるのも事実だ。取材にいくと「岡本和真はずっと三塁で育てる」と言っていたはずが、半年後に監督が代わると外野転向させている。当事者の若手選手としても戸惑いはあるのではないだろうか?
 
 スカウト体制刷新し、鹿取GMが就任。由伸監督の続投も決まった。原政権時代と完全に決別して、ベースからのチーム再構築に乗り出す巨人だが、若手野手陣の慢性的な長距離砲タイプ不在なのは否めない。今秋のドラフトでは阿部や村田をベンチに追いやる若手スラッガー候補を最優先で指名するのか注目である。

1 2