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巨人・山口俊に“大甘”処分。悪しき前例で待ち受けるイバラの道…再起しても消えぬ汚点

読売ジャイアンツは、傷害と器物損壊の疑いで書類送検された山口俊投手に対して、今季終了までの出場停止と罰金および減俸の処分を科した。

2017/08/22

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来季も巨人でプレー、山口を待つイバラの道

 いずれにしてもこれで山口俊は来季以降も巨人のユニホームを着てプレーできることになった。経緯はどうあっても普通の神経の持ち主ならば、事件を引き起こした責任を痛切に感じて「もう辞めさせてください」と契約解除を申し出ていて当然である。
 
 それでも残留の道を選んだということは山口俊本人にそれなりの覚悟が胸の内で出来ているのであろう。 
 
 しかしながら今後の山口俊には間違いなくイバラの道が待ち受けている。書類送検という「汚れた前歴」が付いた者として永遠に色眼鏡で見続けられることになり、どう頑張ってもその汚点は消えない。来季以降、いくら勝ち星を重ねようと何かに付けて、この黒歴史が蒸し返されたとしても不思議はないだろう。
 
 巨人の主力選手たちも戦いに水を差すような騒動の発生には明らかに困惑している。チームメートからも総スカンを食らい、いわば四面楚歌の中で山口俊は再起を目指さなければならないのだ。
 
 加えてG党の間でもネット上で「解雇にすべきだ」との意見が多数を占めている状況を考えれば、本拠地の東京ドームでもマウンドでブーイングを浴びせられるかもしれない。敵地の登板では言わずもがなだ。横浜DeNAベイスターズ時代からメンタルに難ありと言われ続けている男が、そんな逆境で本領を発揮できるのか。甚だ疑問である。
 
 世間の多くの人は巨人が山口俊の処遇に関し、結論を誤ったと厳しい目を向けているのは紛れもない事実だ。信頼回復は非常に困難と思われるが、契約を解除せずに荒波の航海へと漕ぎ出した雇用主の巨人と当事者の山口俊がどのようにざんげしていくのかは否応なしに注目が集まる。
 
 山口俊がYGユニホームを着続ける以上、残念ながらこの問題はまだ終わってはいない。

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