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調整途上も経験値でカバー 実戦初登板で見られた松坂大輔の試行錯誤

ソフトバンク・松坂大輔が4日、日本球界復帰後、阪神とのオープン戦で実戦初登板に臨んだ。まだまだ調整途上、試行錯誤を続けている。それでも無失点に抑えるところに、やはり松坂大輔のポテンシャルの高さを垣間見た。

2015/03/05

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ベースボールチャンネル編集部



直球は最速で146キロを計時

 今後は開幕までに2、3試合の実戦調整の場を設け、公式戦に臨むプランだという。すでにソフトバンクは、摂津正が開幕投手に内定している。実績だけなら松坂にもその資格はあっただろうが、急ピッチの調整を求めない首脳陣の配慮が感じ取れる。

 開幕から「100%」を望んでいないだろうし、求める必要もないだろう。今後のオープン戦でも松坂の調整は続くし、2、3試合で万全のアジャストを強いるのは正直、酷というもの。ペナントレースという長丁場の中で、本当に日本球界仕様にフィットしてくるのは5月以降と見るのが妥当だ。

 投球フォームの技術的な問題は、投げている当の本人にしか深い部分の感触はわからない。キャンプから肩の開きの早さや、肘の低さなどを指摘する声が続いた。
 ただ現実に、松坂は今現在とそう変わらないフォームで昨年メジャーで投げ抜いた。メッツの先発、中継ぎ、抑えと全ポジションをこなし、34試合で3勝3敗1セーブ、防御率3.89という数字をしっかり残している。今のボディーに合った旋回運動を突き詰め、この型にたどり着いたわけだ。

 直球は最速で146キロを計時した。松坂と同じく、調整過程にある虎打線をねじ伏せるには、十分すぎる力強さがあった。
 速球への対応、という点ではプロの各打者は3月中旬から開幕にかけて、グッと上げてくる。もちろん現状のままでは通用しない。松坂にだって、この先の調整次第で、いくらでも伸びしろがある。

「3イニング目は自分の形ができはじめた。初めからできるようになればいい。徐々に状態は上がっていく」

 57球の試運転の中で、手応えと収穫もしっかり手にしている。現状のままでは、不安は募る。ただ34歳のベテランには、何度も環境の変化にアジャストしてきた絶大な経験値がある。

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