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巨人・小林誠司、“温室育ち”で伸び悩む打撃。思い出すべき2000本安打・阿部慎之助からの金言

読売ジャイアンツ・阿部慎之助内野手が史上49人目の2000本安打を達成した。巨人の生え抜きとしては歴代5人目で、守備の負担の大きい捕手を務めながらの快挙だ。この阿部の功績から、打撃で伸び悩む正捕手・小林誠司が学ぶべき姿勢は何だろうか。

2017/08/15

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ベンチが選んだ「ショック療法」

 自分のすべてを伝授しようとトレーニングメニューが終わった後はほぼ毎晩のように勉強会も行い、それまで自分が身に付けてきたG正捕手としてのノウハウを小林に対し懇切丁寧に教えていた。それにも関わらず、なかなか実力開花の時を迎えることができない小林に対し、阿部もフラストレーションを蓄積させているはずだ。
 
 お前は何のために、オレと一緒に自主トレをやったのか。そこでオレから何かを学んだんじゃなかったのか――。2000本安打を達成した大先輩の姿を見ながら小林は、こういう強いメッセージを直に送られていることも肌で感じ取り、もっと危機感を募らせなければいけない。
 
 事実、高橋由伸監督ら首脳陣は右手有鉤骨手術から復帰した宇佐見真吾捕手を今月8日に一軍登録。今月9日の阪神タイガース戦(東京ドーム)では5回の好機においてこの日スタメンマスクを被らせていた小林を外し、なんと宇佐見を代打に送った。
 
 これは小林にとって屈辱だったはず。いずれにせよ、こうした「ショック療法」まで巨人ベンチ内においてチョイスされたということは、それだけ小林に対する信頼度が現状で高くないという証拠だ。
 
 ただ振り返ってみると、その昔、阿部にもチーム内からの信頼度が低くなっていた時代があった。入団1年目の2001年。当時新人の阿部は確かに大きく期待され、正捕手としてスタメン起用される試合も多々あった。
 
 ところが、このルーキーイヤーはメジャー経験のある同僚のダリル・メイ投手から複数のメディアを通じて「彼(阿部)はまだ若過ぎる。だから一緒にバッテリーを組みたくない」とバッサリ切り捨てられるなど複数の主戦投手にグリーンボーイ扱いされ、苦悩する日々も実は続いていた。

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