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今季が勝負の年 ”未完の大器”大田泰示は覚醒なるか?

プロ7年目の巨人・大田泰示が初の開幕スタメンとレギュラー獲得に向け、奮闘している。指揮官も厳しい言葉を寄せつつも、”未完の大器”の覚醒を待っている。

2015/03/05

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今季は結果が求められる年

 大田にとっても、今年は勝負の年であろう。以前、スポーツ新聞をはじめ各メディアには今年のキャンプ前に原監督が「これまで泰示には、何度期待を裏切られてきたかわからない。でももう一度だけ、だまされてみようと思うんだ」と語ったコメントが一斉に掲載された。この「もう一度だけ」の意味するところは〝二度はない〟ということ――つまり〝最後通告〟とも解釈できる。

 厳しいように思えるかもしれないが、群雄割拠のプロの世界ならば当たり前のことだ。
 高校時代は原監督の母校・東海大相模で通算65本塁打を放ったスラッガーとして名を馳せ、2009年のドラフトで巨人から1位指名を受けて入団。ところが、鳴り物入りで迎え入れられたはずのスター候補生は、長き低迷のシーズンを送ることに。あの松井秀喜氏の背番号55を背負ったものの、プロの壁にさいなまれて泣かず飛ばずの日々が続き、2013年オフには背番号が44に変更された。過去プロ7シーズンでフルに一軍定着を果たしたことは一度もなく、最多試合出場は昨季の44試合。かつて「ゴジラ2世」と目された男は栄光の背番号も〝剥奪〟され、現状で正念場に立たされているといっていい。

 ただし昨季は夏以降に一軍に定着し、リーグ優勝を引き寄せる大事な試合で勝負を決める一打を放つなど、ようやく浮上のきっかけをつかみつつあるのも事実。千載一遇のラストチャンスと見ているからこそ原監督はキャンプ中から大田に4番争いの挑戦権を与えているのである。

 ここまで大田が実戦で結果を出しても一貫して「必要以上に誉めることはない」と述べ、あえて厳しいスタンスでいるのも〝調子に乗らせて己を見失わせてしまったら今度こそ終わり〟という考えが原監督の胸の内にあるからであろう。いずれにしても「未完の大器」と呼ばれる大田が「未完」のまま終わるか否かは、開幕までのラストスパートにかかっている。

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