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「昨年よりボールの威力が違う」楽天OBも太鼓判 2年目の松井裕樹のリリーフ起用はありか?

昨年は、4勝8敗ながらも大谷に次ぐ奪三振率をマークし、改めて潜在能力の高さを証明した松井裕樹。今季は則本とともに左右の両エースへ……そんな見方が大半だったが、大久保監督はリリーフでの起用の可能性も示唆した。

2015/02/16

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昨年とボールの威力が違う

 キャンプ中に松井のピッチングを見た解説者の山崎武司氏は、次のように語った。
 
「ボールの威力が昨年と全然違います。これなら少々甘いところにいっても、押し込めるし、バッターとしてはしっかりとらえるのは難しいと思います。あとは、投げるスタミナがどこまでついているか。ここがクリアできていれば、2ケタ勝利も十分期待できると思います」
 
 一方、大久保博元監督は、「松井は、勝つのに必要な投手になっている。先発で中6日いないことよりも、お前が毎日いてくれないと困るという気持ちも込めた」と語り、今シーズン、リリーフ起用の可能性について言及した。
 
 真相のほどは現段階ではわからない。
 ただ、松井に対する期待の大きさがうかがえる。ある球団関係者は次のように語る。
 
「大久保監督はリリーフの重要性を十分に理解されている。大久保監督の中には、先発の則本昂大のように、リリーフでもチームの柱となる存在が欲しいんだと思います。そこで松井なら、その期待に応えてくれるだろうと。(リリーフは)本気で考えていると思いますよ」
 
 リリーフ転向となった場合、もちろん不安がまったくないわけではない。松井自身、「先発のつもりで調整してきました」というように、先発としてのこだわりもある。またリリーフはシーズンを通してやったことがなく、しびれるような場面での登板も少ない。精神的にも肉体的にも過酷なポジションでどれだけのパフォーマンスを見せられるか、未知数な部分は多い。課題だったコントロールは昨年7月に1軍へ復帰してからは、与四球率が大幅に下がり投球に安定感が増したが、短いイニングではどうだろうか。
 
 それでも「松井なら」と期待を寄せてしまうほどの投手としての成長が、今の松井には見られる。
 
 はたして、周囲の期待に松井は応えることはできるのか。以前、今季の抱負を聞かれた松井はこのように語っていた。
 
「昨年、二軍落ちしたこともありましたが、ほぼ1年を通して一軍でプレーすることができました。それは僕の中でものすごく大きなことで、どう過ごせばいいのかがわかってきた。不安はまったくありません。2015年は自信を持って臨めると思います」
 
 真価が問われる2年目。しばらく松井裕樹から目が離せそうにない。

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