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憧れの存在『5番』の継承者が、評価急上昇 ベイスターズ・倉本寿彦は激戦ショート争いを制するか?

今シーズンの横浜DeNAベイスターズの内野手争い、注目はショートだ。憧れの背番号『5』をまとう、ドラフト3位の新人・倉本寿彦(日本新薬)だ。

2015/02/14

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ベイスターズの『5番』といえば内野の要

 しかし当の倉本はいたって冷静だ。
 
「最初の印象が大事だと思うので、その中でいいスタートが切れたのは自信にはなっています。手応えですか? 思ったよりもちゃんとできているので、そういう意味では順調だと思います。ただ、これからまわりの選手たちは(コンディションを)上げてくるので、置いていかれないように、負けないように、最後まで残っていけるようにしていきたい」
 
 さすがに大学から社会人を経ているオトナの選手ということで、寡黙ながらも表情や言葉にどこか余裕が感じられる。では、初めてのプロのキャンプの印象はどうだろうか。
 
「初めてのことが多くて大変ですけど、ちょっとづつ慣れてきています。それに今までどおり野球をやることには変わりはないので、気持ち的にはプロになったからという大きいな変化はありません。とはいえファンの方を身近に感じることができるという部分で、あらためてプロになったんだなと実感しています。本当、まわりの方々に感謝してやらなければいけないんだなって」
 
 倉本の背番号は『5番』――この番号はベイスターズファンにとってはかけがえのないものだ。名リードオフマンとして多くのファンから愛された石井琢朗(現広島東洋カープ守備・走塁コーチ)が長い間背負った番号であり、いずれはふさわしい選手につけてほしいとファンの誰もが願っていた。
 
 神奈川県茅ヶ崎市出身で横浜高校を出ている倉本は、幼少のころからベイスターズファンだった。当然、内野手として石井琢朗は憧れの存在であり、今回縁あって『5番』を背負うことになった。
 
「背番号はたまたま空いていて、自分で選ばせていただきました。ベイスターズの『5番』といえば内野の要。あえて自分にプレッシャーをかけるじゃないですけど、そういう選手になりたいと思って選びました」
 
 石井の代名詞だった『5番』を、果たして倉本は自分の色に染めることができるのか。
 
「プレッシャーはありますが、いい意味で力に変えていきたい。1年目が本当の勝負だと考えているので、最初から全力で頑張っていきたい」
 
 開幕スタメンに果たして倉本は名を連ねることができるのか。あるいはキャリアのある山崎らが意地を見せ死守するのか。中畑監督がどのような判断をするかわからないのが、ただ言えることは激化するショート争いによって確実にチーム力はアップするということだ。

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