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「いい」「よくない」の間を行きつ戻りつ‥…忘れられない「先発・増井」の安定感【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#53】

交流戦もいよいよ終盤だが、ファイターズはなかなか思い通りの野球を展開できていない。今季自身の希望で、再び抑えに戻った増井浩俊も投球内容にムラがある。

2017/06/18

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いい増井、よくない増井の両方が出た中日戦

 では、本題に入る。増井浩俊だ。中日戦の第2戦第3戦は「よくない増井」「いい増井」を連日見ることになった。第2戦は4失点の後、斎藤佑樹が立ち直り、玉井大翔、鍵谷陽平、マーティンと見事に抑え、打線も奮起して逆転したのだ。5対4、1点リードの最終回に増井登板。ビシエドをショートゴロに抑え、難なく1アウト取ったと思ったら次のゲレーロに同点弾を食らった。5対5で試合はふりだしだ。その後、延長戦で公文克彦にプロ初勝利がついたからいいようなものの、がっかり感はハンパなかった。本来なら「延長12回の総力戦」である必要のなかった試合だ。
 
 が、翌第3戦は全く同じ1点差の9回に出てきて、三者連続三振の働きである。8回、マーティン負傷交代で、「やっぱり抑えは増井しかいない!」という空気になっていたから皆、最高の結果にホッとした。僕らファイターズファンは「いい増井」と「よくない増井」の間を行きつ戻りつしながら、とにかく気を揉んでいる存在だ。
 
「いい増井」のときはビリビリしびれている。今年はWBCでも気合いの乗った投球を見せてくれた。細身の美男子で女性ファンに人気があるのもわかる。が、「よくない増井」も必ず顔をのぞかせる。この交流戦では甲子園で四球を連発したときがひどかった。SNS等では皆、「よくない増井」にものすごく腹を立てるようだ。クローザーや4番打者は全員でお膳立てをして「じゃ、お願いします!」というところで出ていくから、コケるとすんごい怒られるのだ。

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