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野茂越えの則本、打者はなぜ打てない? 2桁奪三振新記録のカギを探る【小宮山悟の眼】

パ・リーグ首位を走る楽天のエース・則本昂大。6月1日の巨人戦で、7試合連続2桁奪三振を達成した。野茂英雄の6試合連続を上回るNPB新記録だ。歴史を塗り替え、三振の山を築いたポイントを探る。

2017/06/06

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自己記録更新はプレッシャー?

 今後、新記録を達成した則本への期待はさらに高まるだろう。
 
 則本の三振を見るために球場に足を運ぶ観客も増え、必ずと言っていいほど、三振への期待はついて回る。2桁奪三振に届かなかった場合に厳しい意見が出てくることもあるだろうし、則本へのプレッシャーは大きくなる。
 
 口では三振は意識していないと言っている則本だが、三振を狙って取りにいっているのは間違いないだろう。私には記録ありきでマウンドに上がっているように見えるし、則本にとって奪三振は調子のバロメーターにもなっているだろう。
 
 7試合連続2桁奪三振の記録を達成した巨人戦では、巨人が三振対策としてセーフティバントをする場面もあった。これからも他球団がバントで三振を減らすような作戦をしてきたとすると、球場が妙な雰囲気になることもあるかもしれない。そんなときに、則本に力みが生まれないか心配だ。
 
「則本対策」に各球団は一層知恵を絞るだろう。則本がさらなる高みにたどり着けるかどうかは、平常心を維持し続けられるかにかかっている。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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