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愛嬌あるエスコバー、『ビミョーな外国人』脱却への期待【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#51】

今季ファイターズに加入した新外国人選手、エドウィン・エスコバー。試合によって投球内容にムラがあるが、まずは「負け試合のロングリリーフ」で結果を残し続けたい。

2017/05/21

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常に「いいエスコバー」を

 5月に入ってチームも少しずつ地力を発揮し始め、エスコバーにも運が向いてきた。
 14日、東京ドームのロッテ戦、5回2死一塁の場面で先発メンドーサが危険球退場になって、急きょエスコバーに登板である。試合後、本人が「ブルペンでは3球しか投げていない。本当にスクランブルだった」とコメントしたように準備不足は否めなかった。いきなり先頭の柴田講平にデッドボールだ。危険球退場直後の死球だ。鬼馬二、何やってんだよ、しっかり頼むよと思う。鬼馬二も緊急登板であせってるかもしれないが、ここでぶつけるとロッテと変な空気になってしまう。が、続く鈴木大地をどうにか1ゴロに仕留めチェンジ。直後に味方打線が試合をひっくり返してくれて、来日初勝利をつかんだのだった。要した球数が3球、ブルペンでも3球。翌日のスポーツ紙の見出しはもちろん「3球でサンキュー!」だ。
 
 5月16、17日の秋田・盛岡連戦は好調楽天打線の勢いを見せつけられ、2連敗に終わった(特に盛岡の7回戦がすごかった。中田3ラン&大田2ランで5点先制したのに終わってみれば6対15だ!)シリーズだったが、実は僕たちエスコバー陣営にとっては「いいエスコバー」と「よくないエスコバー」を十二分に堪能できる稀有な機会だった。中継画面に向かって「頑張れ丹古母鬼馬二!」の大声援である。
 
 まず、16日の秋田は「いいエスコバー」だ。先発の高梨裕稔が3回1/3、4失点で降板した後を受けて立派にゲームをつくった。2回2/3を無失点(打者10人被安打2)である。火が付きかけた好調打線を鎮める働きだった。エスコバーの角度と球威が効いていた。おかげでクロスゲームがつくれたのだ。味方に適時打が出れば2勝目のチャンスがあった。
 
 一方、17日、盛岡は「よくないエスコバー」だった。先発加藤貴之がつかまった後、石川直也と鍵谷陽平がせっかく消火活動していたのに、石井裕也と2人でおジャンにしてしまった。この試合は1回5失点(自責点2、打者11人被安打5)。何か散漫な投球内容だった。当分、この「負けてる試合のロングリリーフ」が仕事になると思う。「いいエスコバー」を増やすようにして、ぜひ日本で成功してほしい。
 
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