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投げすぎ?オリックスVへ一抹の不安 気になる最強リリーバーの登板数【どら増田のオリ熱コラム #9】

キャンプイン早々オリックスの中継ぎの一人、比嘉が肩の違和感を訴えた。幸い軽症のようだが、例年オリックスのリリーフ陣の登板数の多さは気になるところだ。

2015/02/10

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佐藤の回跨ぎ率を減らせるか? 左のワンポイントリリーバーの台頭を

 登板数の多さで特に不安視しているのは、2年連続最優秀中継ぎ投手賞を受賞している佐藤達也だ。
 杞憂に終わればいいが、ファンの中にも同様の意見が多い。
 
 プロ入り2年目から2年連続67試合70イニング超登板。昨年は変化球の取得に成功し豪速球との緩急が見事に冴えわたり、防御率1.09と素晴らしい成績を収めた一方で、疲労からか四球を与えて自滅する場面も度々あったのも事実だ。
 
 先日オリックスのキャンプを訪れた侍ジャパンの小久保監督も「昨年本当は選出したかったが登板回数が多かったので回避した。今年は代表として出場してほしい選手」と昨年登板過多により代表選出を見送ったことを明らかにするとともに、今春に開催する代表戦へのラブコールを送っている。
 
 ベンチからすれば、6回からでも起用可能な佐藤は使い勝手がいい選手かもしれない。それでも、佐藤が日本を代表するセットアッパーになるためにも、大事なシーズン終盤で崩れないためにも、大切に起用してほしいところだ。
 
 またロングリリーフ向きな岸田やマエストリに関しては特に心配はしていなかったが、リリーバーの中でもワンポイント起用が多く「キャンプの敵は花粉症」と語っていた比嘉がキャンプイン早々に右肩に違和感を訴えたのは、少しショックを受けた。幸いにも軽症なようで何よりだが、比嘉は昨年もシーズン中に一度戦線離脱をしているので、焦らずに1年間戦える身体づくりに臨んでほしい。
 
 ちなみに、ライバルであるソフトバンクの昨年の救援陣成績を調べてみると、ソフトバンクで登板試合数を登板回数が上回っているのは守護神サファテだけだった。サファテは64試合出場で68.1回、佐藤と最優秀中継ぎ投手賞を争ったセットアッパーの五十嵐は63試合出場59.1回登板だった。
 
 オリックスは守護神の平野が62試合出場56.2回、セットアッパーの佐藤が67試合出場74.1回登板。佐藤の回跨ぎ率が高いことがよくわかる。
 
 昨年のソフトバンクのように森福や岡島のような左腕のワンポイントリリーバーがいれば佐藤の負担も軽減されるはずだが、今季左腕のリリーバーは補強していない。ここは海田辺りに奮起してほしいところ。
 
 また金子千尋以外の先発陣の西、ディクソン、バリントン、吉田一将、東明、山崎福也の中から1人でも完投が計算できる先発が出てきたら、リリーバーの負担は軽減されるだけではなく、相手チームに『リリーバーに回したらヤバイ』という見えないプレッシャーを与えることができるはずだ。
 
 今年も最強リリーバーが機能するかどうか。オリックスの成績は、ここに懸かっている。

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