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不振続く中島卓也。『鎌ヶ谷の野球の虫』へ原点回帰せよ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#49】

らしくない戦いが続く昨年の王者・ファイターズ。中でも一番の心配は、中島卓也の状態だ。

2017/04/22

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野球人としての試練

 去年、チームはソフトバンクとのマッチレースを勝ち抜き、CS、日本シリーズと駒を進めた。中島卓也も充実した1年だったろう。もしかすると「日本一のファイターズ」はオフのTV出演等の用事が多かったのかもしれない。
 
 あるいはてっぺんを獲ってバーンアウトが生じたか。年が明けて1月下旬、突然、中島はWBC出場を辞退した。理由はコンディション不良だ。取材陣に対し「行きたかったけど、身体の状態の面で、WBCに合わせて早めに調整できそうになかった」とコメントを出す。大谷翔平の辞退もショックだったが、僕は中島辞退も残念でならなかった。なぜってWBCは球数制限がある。敵のエース級相手に「納豆打法」で粘って、一人で球数さんざん使わせたら愉快じゃないか。
 
 しかし、2月のキャンプ前の時点で「コンディション不良」「調整不足」というのが衝撃だった。まだケガの大谷のほうがスッと理解できたのだ。
 
 フツーはキャンプに入って調整するものだろう。まぁ、3月初旬のWBC開催に合わせて仕上げられそうにない、という意味だったのか。そのとき初めて心配になった。疲れが取れないとか、よっぽどの何かじゃないか。今シーズンの中島は大丈夫だろうか。
 
 実際、彼はオープン戦からずっと不調なのだ。WBCを辞退させてもらって、しっかり仕上げる時間的余裕はあったと思うが、ずっと元気がない。
 
 僕はファイターズのつなぎの野球には(元気な)中島が絶対必要だと考える。頑張ってほしい。いいときの中島は(シャイで無口でも)全身からエネルギーを発していた。今の中島は「中島」をなぞってる感じがする。
 
 粘りの「納豆打法」にとらわれ、自縄自縛に陥っているのか。迷ったらスタイルなんか捨てていっこうに構わない。元をただせば鎌ヶ谷の野球の虫じゃないか。真っ黒に日焼けして、汗だくで野球漬けになっていた日々が原点だ。
 
 中島は自分で思ってるよりずっとガムシャラな選手だよ。負けるな。ここからもがいて成長する姿を僕らに見せてくれ。今、その苦しい経験は野球人として一生の財産になる。
 
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