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大谷の負傷は自己管理の欠如では? 肉離れは重傷、慎重なリハビリを【小宮山悟の眼】

足首のケガでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を辞退した北海道日本ハムファイターズの大谷翔平投手。そのケガをかばったために、肉離れを引き起こしたと小宮山悟氏は考えている。今回の肉離れを軽視せず、身体と相談しながら再発しないようにすべきだ。

2017/04/12

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身体と相談しながら再発に要注意

 繰り返すが肉離れは重傷だ。私も現役時代、故障箇所は異なるものの、キャンプ中に肉離れを起こしたことがある。このケガは本当に何もできなくなる。安静加療が必要とされる。
 
 私の場合はふくらはぎだったが、ウォーキングだけで2週間のリハビリが必要だった。それからはプールで歩き、針治療、通電治療を地味に繰り返していく。足首が動くようになって、ふくらはぎの反応ができるようになったのを受けて、ウォーキングトレーニングをはじめ、軽いジョギングを開始するという工程だ。
 
 当然、故障箇所によって時間のかかり具合は異なる。ただ、筋線維でとらえると、大谷の場合は太い方をやってしまったわけだから、相当な時間がかかることを覚悟しなければいけない。
 
 もっともしてはいけないのは、治ったと思ってプレーして再発してしまうことだ。一度筋肉に傷がついたわけだから、その傷が癒えるようになるためには、かなり慎重に進めなくてはならない。リハビリは一進一退だ。今日がよくても明日がいいとは限らないので、身体と相談しながらやっていってほしい。
 
 もう1つ気になったのが、肉離れのあとにインフルエンザを発症したことだ。緊張感を保っていれば、そんなことは起きないのではないか。気が抜けていた証拠ではないのか。誰も好き好んで肉離れはしないし、インフルエンザになる人はいない。しかし、自己管理次第では防げるものが防げなくなるものだ。インフルエンザは少し残念なニュースだった。
 
 もちろん、これまで気が張っていた分、急に気が抜けてしまう気持ちは理解できる。大谷も自分に対して、悔しい気持ちがあっただろう。しかし、「大谷翔平」という選手はその辺のプロとは違うのだ。そのことを意識してほしい。
 
 どういう方向性で復帰を目指していくのか。日本ハムがどう判断するのか見守っていきたい。チームにとっては痛手だろう。連覇は赤信号とみている。
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
 1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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