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大谷の負傷は自己管理の欠如では? 肉離れは重傷、慎重なリハビリを【小宮山悟の眼】

足首のケガでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を辞退した北海道日本ハムファイターズの大谷翔平投手。そのケガをかばったために、肉離れを引き起こしたと小宮山悟氏は考えている。今回の肉離れを軽視せず、身体と相談しながら再発しないようにすべきだ。

2017/04/12

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投、打どちらの復帰を優先させるか

 日本ハムの大谷翔平投手が先週8日の試合で左大腿二頭筋に肉離れを起こし、選手登録を抹消された。二刀流を続けてきた彼のケガには様々な憶測が飛ぶが、今回はこの件について触れたい。
 
 このケガが起きた理由は、シーズン前に故障が発覚した右足首をかばっていたなかでバランスを崩したと見ている。故障箇所をかばって他の部分を痛めるというのはよくあることだから、特別な驚きはない。
 
 開幕前後に栗山英樹監督が、大谷に対して「全力疾走をするな」というようなことを言っているのを新聞コメントで読んだが、大谷が一生懸命やってしまったから起きたことでもある。
 
 とはいえ、今回のケガはかなりの重症で、完治には長い時間を要するというのが妥当な見方だろう。肉離れは、大谷が投手だからという問題ではなく、アスリートにとってはかなり重症なケガだ。球団公式発表だと全治4~6週間だが、その期間はピッチャーのトレーニングをできないことになり、投手としては完全に前半戦は絶望である。
 
 チーム状況などを考えて、大谷自身が「何とかしなければ」という気持ちが先だって全力疾走し、肉離れにつながった。これはやむを得ない。
 
 本当に今回のケガが突発的な事故のような形で起きたのなら防げないが、考えなければいけないのは、大谷が「ちょっとおかしいな」というのを分かっていたのかどうか。仮定の話になるが、大谷がその違和感を隠してプレーしていたなら、絶対にあってはならないことだ。プロとして、しっかり自己管理ができていないということになる。
 
 そもそも、大谷がマウンドに立てないことがどれだけチームに迷惑をかけているか、自身で分かっているはずだ。それで打つ方で何とかしようと思って無理をしていたならば、考え方を改めなければならない。
 
 では、これから大谷は復帰に向けてどうするべきか。2つの方向性がある。
 
 大まかに言うと、マウンドで登板できることを目指してリハビリを始めるのか。または、とりあえず早めに1軍に戻るためのスケジュールを組むか、だ。後者は、開幕前と同じで、ひとまず打つ方を優先させて、徐々に投げる方での復帰を模索していく。
 
 球団がどちらにシフトすべきかの選択が迫られるが、私なら、前者の投手として復帰できるような完全な状態にするべきだと思う。少し嫌な言い方になるが、大谷は「商品」だ。メジャー行きが既定路線となったいま、日本ハムは彼を米国に送り出す商品として考えなければならず、傷モノにしてはいけない。だから、まずは投手としての復帰を目指したスケジュールを考えるべきだろう。

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