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OP戦惨状の巨人。故障に”肥満”…大型補強は失敗の懸念。若手も伸びずV奪回に不安

プロ野球2017シーズン開幕まであと10日。21日現在で、オフに大補強を行った読売ジャイアンツがオープン戦最下位に沈んでいる。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場している3人が不在とはいえ、開幕までにベストな状態に持って行けるのだろうか。

2017/03/21

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チャンスを生かせていない若手選手たち

 確かに走攻守の三拍子揃った陽が開幕に間に合えば、オープン戦で停滞気味のチームにとってカンフル剤となる。しかしながら開幕黄ランプが点灯した以上、今後の調整も慎重にならざるを得ない。いずれにしても陽の症状再発は当初20日の1軍合流を見込んでいたチーム側にとっては大誤算。しかも躍動感あふれるプレーがストロングポイントの陽にとって下半身は生命線とも言える箇所だ。今回の再発によって、その命綱に爆弾を抱え込んでしまった可能性も否定できない。攻守で中核を担うべき目玉選手の出遅れはチームに暗い影を落としている。

 新助っ人のケーシー・マギー内野手も今のところサッパリだ。ここまでオープン戦14試合に出場し、37打数7安打、打率1割8分9厘、0本塁打、3打点。開幕4番候補と目されている割には余りにも寂し過ぎる数字である。たとえオープン戦で〝扇風機状態〟でもシーズンに入ればひょう変し、打ちまくるケースはこれまで何人か見てきた。だがマギーに関して言えば東北楽天ゴールデンイーグルスやマイアミ・マーリンズ在籍時代に見せていた豪快かつシャープな打撃が鳴りを潜め、容姿も明らかな〝太め〟になっているところは非常に気がかり。現状では本当にクリーンアップを任せられるのかという疑問が拭えない。

 期待されている若手も伸び悩んでいる。WBC出場で不在の侍メンバー組、そしてパッとしない新戦力選手たちに代わって岡本和真内野手や重信慎之介外野手らヤングGたちが本来は猛アピールしなければならないはずが、オープン戦でインパクトを与えるような結果を残せていない。この機会を逆にチャンスととらえなければ、おそらく彼らは才能を開花させることなく終わってしまうだろう。巨人を取材する現場のメディア関係者たちが連日に渡って極度のネタ不足に追い込まれていることを人づでに耳にするが、この惨状ではそれも無理はない。

 3年ぶりのV奪回が厳命されている2017年シーズン。いざ開幕してみると、ここで挙げていた新戦力選手および若手選手たちに対する懸念材料が単なる杞憂に終わることを祈りたい。

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