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侍J、勝負弱さ脱却なるか。真価問われるキューバ戦、今後左右する一戦に

 2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕。今年初実戦から、壮行試合と強化試合を含めて計5戦を重ねた侍ジャパンだが、その戦いぶりは不安が残る内容だった。本番で「この1戦」を勝ち切る力を発揮できるのか、初戦のキューバ戦は“最初の関門”としてチームの底力が試される。

2017/03/07

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一昨年から始まった「この1戦」の弱さ

 しかし一方、不安要素がないわけではない。
 それは、小久保JAPANが「この試合」と言われているゲームで絶望的なくらいの弱さを見せているという点だ。
 
 2015年の「世界野球プレミア12」準決勝での敗退が記憶に新しい。
 日本と同じほぼフルメンバーで臨んできた韓国に対して、「事実上の決勝戦」と目される中、その試合を落とした。
 
 その後を振り返ってみても、「この1戦」や「初戦」に弱い。
  
 開催の意図が不明瞭だった昨春のチャイニーズ・タイペイ戦は連勝できたものの、本番を想定した昨秋の強化試合では、初戦のメキシコ戦に3-7の大敗を喫した。ショートイニングで投手をこまめに交代させてくるメキシコの戦略にまんまとはまり、力を発揮することが出来なかった。
 
 翌日には大勝、その後のオランダとの2試合では延長戦の末に競り勝ったから忘れ去られているが、「この1戦」は、超短期決戦では絶対に落としてはいけない。そのシミュレーションになる試合を負けているのだ
 
 今年初実戦の福岡ソフトバンクホークス戦のは大目に見るとしても、福岡でのCPBL選抜チームとの壮行試合も初戦を5-8で落としている。翌日の大勝で「この1戦」の勝負弱さは闇に葬られたが、大阪での1戦目、手の内を知る阪神タイガースにさえも勝てなかった。
 
 世界野球プレミア12の準決勝敗退から始まった、「この1戦の試合での敗戦、翌日大勝(3位決定戦)」の流れは変わらず、本番を迎えるというわけである。
 
 これまではWBC本番ではないということから、メディア側も多くを語ってこなかったのだろう。
 しかし、これからは違う。
  
 キューバ戦では本当の意味での、小久保JAPANの底力が試される。
 
 世にいう「初戦が大事」という軽い表現ではなく、小久保JAPANのこれからを左右するほどの戦いだとみていい。
 
 小久保監督の采配、チームの胆力、そして結束力が試されるとき――。
 
 果たして、小久保JAPANは「この1戦」をモノにできるチームになったのか。

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