大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » プロ野球最新情報 » 巨人 » 松井秀喜氏の”金言”が未完の大器を花開かせる――。巨人の未来担う3年目・岡本の可能性

松井秀喜氏の”金言”が未完の大器を花開かせる――。巨人の未来担う3年目・岡本の可能性

2014年にドラフト1位指名され、読売ジャイアンツに入団した岡本和真内野手。1年目のシーズン終盤には17試合に出場(うち10試合はスタメン)するも、昨季は3試合のみだった。3年目の今季、厳しいスタメン争いを制することはできるのだろうか。

2017/03/01

text By



定位置サバイバルで生き残るために外野の練習も

 果たして未完の大器はGの主力となり得るのか――。
 
 プロ3年目を迎える巨人・岡本和真が必死のアピールを続けている。
 
 ここまでのオープン戦2試合で7打数4安打、チームトップの打率5割7分1厘をマーク。それまでの対外試合3戦で10打数無安打とまったく結果を残せていなかったが、それまでの不振を挽回するかのように結果を出そうと懸命にバットを振っている。
 
 しかしながら開幕スタメンの座をもぎ取ることは難しいと言わざるを得ない。
 
 岡本が定位置取りで狙うポジションは現状で一塁手か三塁手、左翼手の3つ。だが一塁には阿部慎之助内野手とケーシー・マギー内野手、そして三塁は村田修一内野手、もしくはマギー、左翼もギャレット・ジョーンズ外野手と全ポジションに実績十分のスタメン候補者がひしめき合っている。
 
 そう考えれば、この屈強なメンバーたちとの競い合いで岡本が勝利する可能性は残念ながら低い。他のスタメン候補者のうち誰かにアクシデントが発生するか、あるいはキラ星のごとく光るような打棒大爆発でもない限りは開幕1軍に残れたとしてもおそらくベンチスタートが関の山であろう。
 
 とはいえ、チームの未来を思慮すると現在のような岡本の“飼い殺し”は得策といえない。やはり、この若手に何とかチャンスを与えるべきである。
 
 もともと岡本は智弁学園時代に高校通算73本塁打を放つなど長距離砲として名を馳せ、鳴り物入りで2014年のドラフト会議において巨人から1位指名されて入団を果たした。
 
 プロ1年目の2015年は1軍で17試合に出場し、1本塁打、4打点、打率2割1分4厘。同年8月27日に初の1軍昇格を果たし、シーズンも残り少ない状況下であった割にはまずまずの結果で今後に期待を抱かせるルーキーイヤーであったと言える。だが2年目の昨季はわずか3試合の出場にとどまり、本塁打と打点はいずれも0で打率もたった1割ジャストと散々な成績に終わってしまった。
 
 そうかと言ってこのまま1軍で今季もベンチウォーマー、あるいは途中出場ばかりが続いてしまっては元も子もない。岡本は今、チーム方針として外野守備の練習にも本格的に取り組んでいる。春季キャンプでも居残り特守を連日受け続け、何とか定位置サバイバルで生き残るべくポジションの選択肢を増やそうと奮闘中だ。何とかして正左翼手の座を奪い取ろうとガムシャラになっているのも、その流れである。
 
 正左翼手の有力候補・ギャレットは確かに長打力を買われているが、昨季がそうであったように好不調の波が激しいのも事実。さらに外国人枠の問題もある。となれば、ギャレットとの併用で岡本起用の活路を見出すことができるかもしれない。

【次ページ】我慢の起用は大切
1 2