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西武、3年連続Bクラスの怪。打線はリーグ屈指、渡辺SD編成トップ就任で組織が変わる?【2016年通信簿】

西武は2015年に引き続き4位でフィニッシュ。64勝76敗3分で3年連続Bクラスとなった。かつての盟主も、今季は悪い所ばかりが目立ったシーズンとなった。 2015年にシーズン安打記録を樹立した秋山翔吾をはじめ、タイトルホルダーが続々と居並ぶが、投打ともに機能したとは言い難い。果たして、どこに問題があったのだろうか。

2016/12/30

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組織改編がプラスに出るか

【総合 2点】
 12月26日、西武球団本部から人事異動の発表があった。
 これまで球団本部長と編成部長を兼務していた鈴木葉留彦氏が球団本部長専任となり、球団本部シニアディレクターを務めていた渡辺久信氏が編成本部長を兼務する。

 3年連続Bクラスとなった責任を鈴木氏がとったこと、GMポストに渡辺氏が将来的に就くという憶測が立つが、組織が変わろうとしていることの表れとみていい。

 思い返すと、今年のドラフト会議において、全選手のドラフト指名後の会見に応じる渡辺SDの姿があった。渡辺氏は、その肌を見ても分かるように、こんがりと日に焼け、アマチュア野球の現場に足しげく通っていた。担当スカウトと密に連絡を取り合い、選手を発掘・吟味。「お願いをすれば、すぐに飛んできてくれる」と担当スカウトたちはいう。

 そんな渡辺SDが矢面に立ち、チームについて語る。これはチームの長としての姿勢の表れだろうし、ドラフトがチームつくりにおいて、どれほど重要であるかを意識してのものだろう。

 来季、エースの岸がチームを去る。
 顔ぶれから見ても、今季の開幕投手を務めた菊池がその役にとって代わることになる。野手では浅村が新キャプテンに就任、背番号「3」を纏う。

 菊池は、渡辺SDが監督としてドラフトの抽選で引き当てた張本人だ。浅村を4番にすえ、初タイトルをもたらしたのも、渡辺氏の手腕だ。

 監督交代だけではチームはそう変わらない。過去の西武の監督交代劇を見ても分かるように、何の意味もなさなかった。

 しかし、組織が変わればチームは確実に変わる。
 編成トップとして手腕を振るう、渡辺氏のチームづくりにこれから注目してきたい。

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