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優勝からBクラス転落のヤクルト、大きすぎたバーネットの穴。来季の巻き返しには投手陣再建が大前提【2016年通信簿】

球団史上2度目のセリーグ連覇を目指し、「燕進化」の新スローガンを掲げて2016年シーズンに臨んだ東京ヤクルトスワローズ。だが、投手陣の崩壊や思いもよらぬ故障者の続出で、結果はBクラスの5位とほろ苦いものになってしまった……。

2016/12/23

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「終戦ムード」に歯止めをかけた首脳陣の気配り

ベンチワーク4点
投手で館山昌平、石川雅規、小川泰弘、野手では前述の3人の他に雄平、大引啓次……。ざっと見ただけでも主力にこれだけの故障者が出れば、もともと選手層の厚いチームではないだけに、自ずと厳しい戦いを強いられることになる。

8月初旬には借金が16に膨れ上がり、山田までが戦列を離れるに至っては、その時点で“終戦”ムードが漂ってもおかしくなかった。それでもそのままズルズルと落ちていかなかったのは、真中満監督が窮地に陥っても慌てるそぶりを見せず、泰然自若とした態度を崩さなかったことも影響していたように思う。

その陰では、三木肇ヘッド兼内野守備走塁コーチが「『山田がいないと勝てない』って言われたら、みんなどう思う? オレはメチャクチャ嫌や」とナインを鼓舞し、気分屋なところのあるバレンティンには「キャプテンのつもりでプレーしてほしい」と声をかけるなど、選手のモチベーションが落ちることのないようにコーチ陣も気を配っていた。苦しいシーズンではあったが、終盤はクライマックスシリーズ(CS)進出も夢ではないところまで持ち直すことができたのは、このあたりのベンチワークとも無関係ではない。

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