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黒田、三浦、サブローら……2016シーズンで現役を引退した選手たち

偉大な記録を残し、いくつもの記憶をファンの胸に焼きつけた……今季で現役生活にピリオドを打った選手たちを紹介する。

2016/12/19

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ロッテファンに愛されたサブロー、通算228盗塁の鈴木も引退

 続いて野手に目を向けてみよう。生涯成績は以下の通りだ。

◆今季で現役を引退した主な野手
* ()内は最終在籍球団

サブロー(ロッテ)1782試合 打率.265 127本塁打 655打点
鈴木尚広(巨人)1130試合 打率.265 10本塁打 75打点
廣瀬純(広島)978試合 打率.273 51本塁打 253打点
倉義和(広島)719試合 打率.217 23本塁打 126打点
栗原健太(楽天)1026試合 打率.293 153本塁打 586打点
牧田明久(楽天)691試合 打率.253 23本塁打 150打点
森岡良介(ヤクルト)557試合 打率.241 7本塁打 97打点
鶴岡一成(阪神)719試合 打率.235 18本塁打 140打点
多村仁志(中日)1342試合 打率.281 195本塁打 643打点

 PL学園高から94年ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団したサブローは、2度の日本一(05、10年)に貢献。特に05年は「つなぎの4番」として活躍。10年は3位から“史上最大の下剋上”へと導いた。11年途中に巨人へ移籍するも、FA権を行使して翌12年にはロッテに復帰。チームへの愛着は大きかったといえる。

 ウグイス嬢によって語尾を伸ばす「サブロー」のアナウンスは、球場の名物だった。9月25日の引退試合(QVCマリン)には3万113人が来場し、「4番・ライト、サブロー」のコールを受けて現役最終打席へ。結果は右中間への二塁打となった。多くのファンに愛され、千葉を去った背番号3。またいつか、ロッテのユニフォームを着る日が来るかもしれない。

 試合の終盤、ここぞという場面で塁上に現れるのが鈴木尚広だった。「代走のスペシャリスト」として、通算228盗塁を記録。200盗塁以上を記録した選手の中で盗塁成功率.829は歴代トップの成績だ。巨人での20年間で通算1130試合に出場。試合の限られた時間の中で己の役割を貫いた。

 現役最後のプレーとなったのが、10月10日のDeNAとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦(東京ドーム)。同点の9回の場面、内野安打で出塁した村田修一の代走で出場するも牽制タッチアウト。サヨナラにつなげることができずに終わった。

 それでも、鈴木が残した功績が色あせることはない。役者が揃う巨人の中にあって、脇役として存在感を放った男は、偉大な記録を残してグラウンドを去った。

 万年Bクラスだった時代の広島を支えたのが、廣瀬純と倉義和、栗原健太の3人だ。10年には135試合に出場し、打率.309を記録したこともある廣瀬だったが、昨季は1軍出場ゼロ、今季は1試合と、優勝に貢献することができなかった。倉も昨季はわずか1試合の出場のみで、今季も唯一の1軍出場となるはずだった引退試合が雨天中止という結果に終わってしまった。

 00年から16年間広島でプレーし、15年オフに自由契約となって東北楽天ゴールデンイーグルス入りした栗原健太も現役引退。通算打率は.293、1082本の安打を記録した。06年から4年連続で20本塁打以上をマークし、4番を務めた実績もある。しかし、新天地で輝きを取り戻すことができなかった。

 野手ではその他、05年の楽天創設時の最後の一人となっていた牧田明久、ヤクルトで選手会長も務めた森岡良介、阪神の他、DeNAや巨人にも在籍した鶴岡一成、横浜やソフトバンクなどでプレーした多村仁志らが現役を引退した。

 華々しく引退した選手もいれば、ここで紹介しきれなかった選手のように静かにユニフォームを脱いだ選手もいる。彼らは皆それぞれの思いを胸に、次なるステージへと向かう。

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