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DeNAにプロテクトリスト届く。人的補償は片岡治大、西村健太朗らが候補か

山口俊のFA移籍による人的補償のプロテクト名簿が、12日、DeNAに届いた。これから選別作業にうつるが、高田GMら首脳陣はどのような選択をするのだろうか。DeNAの補強ポイントから予想する。

2016/12/14

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中継ぎタイプなら13年セーブ王の西村、先発なら江柄子が候補

 そしておそらく本命であろう投手だが、ここは将来を見るか、あるいは現在を見るかで異なってくる。

 DeNAは現在、熊原健人や飯塚悟史、綾部翔など将来的にローテーションを担うべき選手を育ててはいるが、一人前になるまでどれだけ時間を要するか分からない状況。

 そこで将来性を見越すのであれば、今季大卒ルーキーとしてファームで14試合に登板し、6勝1敗、防御率2.49という成績を収めたサウスポーの中川皓太の存在が面白い。あるいは25歳といささか年齢を重ねているが、今シーズン、育成から這い上がり支配下登録された長谷川潤という選択もある。今季はファームで25試合に登板し、7勝5敗、防御率2.77といったまずまずの成績を挙げている。またプロテクト外だったならば、未来の左腕エースと呼ばれている22歳の今村信貴を狙うことも考えられる。

 DeNAとしては当然即戦力という選択も視野に入れているわけだが、投手に関しては先発も中継ぎも層が厚いとは言えない。先発は山口の抜けた穴を埋めるべく、シアトル・マリナーズなどでプレーしたジョー・ウィーランドが加入したが、助っ人外国人ばかりはシーズンが始まるまで分からない。

 また中継ぎ陣を見ても、今シーズンの須田幸太、田中健二朗、三上朋也、山﨑康晃らによる“勝ちパターン”は印象的ではあったものの、結果的に救援防御率はリーグ5位の3.76と低調だった。チームは補強としてシカゴ・カブスからスペンサー・パットンを獲得したが、これも当然アジャストするかは未知数だ。

 となると出来れば先発、中継ぎの両方に対応できる選手が求められる。この観点からすると1軍通算32試合1勝5敗、防御率3.51、今季ファームで22試合に登板し9勝2敗、防御率2.15の成績を収めた江柄子裕樹、そして2013年に42セーブでタイトルを獲得し、2011年には先発として16試合7勝5敗、防御率1.92という成績で適性を見せた西村健太朗の名が挙がる。

 ただ西村の今季は中継ぎとして27試合に登板し0勝0敗、防御率3.21という凡庸な数字に終わっており、またクローザー時代の過度の投球によるものなのか、昨年9月には右肘のクリーニング手術をするなど故障のリスクがあるのも確か。しかし、まだ31歳という年齢、そして年俸は1億3000万円から7800万円(いずれも推定)に下がっており、手を出しやすくなっているのは魅力的だ。

 果たしてDeNAはどのような決断を下すことになるのだろうか。

 個人的には、希望に合致する選手がいないのであれば、とくに内野手や投手にこだわる必要はないと思っている。あくまで例えばの話だが、飽和状態にある自軍の外野手を駒にトレードにより他球団から良いピッチャーの獲得を目指すことを想定し、それを補てんする選手を巨人から人的補償で獲得するという考え方もある。もちろん、そう簡単に事は進まないのは分かってはいるのが、ぜひDeNAにはあらゆる方策、可能性を探ってほしいものである。

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