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巨人入団のマギーは再び日本で活躍できるか? 過去の復帰組にカリブの怪人、明暗分かれた2人のローズら

13年に東北楽天ゴールデンイーグルスで活躍し、球団初の日本一に貢献したケーシー・マギーが、来季巨人でプレーすることになった。

2016/12/07

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過去にはデストラーデやペタジーニらも復帰

「カリブの怪人」と呼ばれ、90~92年の西武3年連続日本一に貢献したのがオレステス・デストラーデだ。89年の途中から西武に入団し、83試合に出場して32本塁打を放った助っ人は、翌90年に130試合に出場して打率.263、42本塁打、106打点の成績を挙げ、本塁打と打点の2冠を獲得。さらに、この年の巨人との日本シリーズでは2本塁打を放ちMVPも受賞した。

 91年も39本塁打、92打点で2年連続の2冠王。92年は41本塁打を放ち、3年連続本塁打王に輝く。本塁打を打った後の派手なガッツポーズが印象的だった。93年にMLBに復帰を果たすと、マーリンズでプレーしたこの年に打率.255、20本塁打、87打点という成績を残した。しかし、94年は打率.208、5本塁打、15打点と成績が下降した。

 95年からは再び西武へ。日本球界に復帰したものの、46試合の出場で打率.245、6本塁打、23打点とかつての打棒は影を潜め、シーズン途中で退団。同年5月9日のオリックス戦(富山)では8回裏2死走者なしの場面で「5番・DH」から投手としてマウンドに登ったこともあった。結果、三塁打を浴びて2四球で満塁にしてしまい、降板したというエピソードもある。

 96年に近鉄(99年~大阪近鉄)に入団したタフィー・ローズは、99年に打率.301、40本塁打、101打点という成績を残して本塁打と打点の2冠を獲得。01年には当時のシーズン最多本塁打タイ記録となる55本塁打をマークして本塁打王とMVPに輝いた。

 04年は巨人に移籍して45本塁打を放ち本塁打王に。05年の退団後、06年にはレッズとマイナー契約。その後1年間のブランクを経て07年に日本球界に復帰した。オリックスで07、08年と2年連続で40本塁打以上を記録し、健在ぶりをアピール。09年に退団し、NPBでは通算1674試合に出場。打率.286、464本塁打、1269打点という成績を残した。15年からは独立リーグ「ルートインBCリーグ」の富山で選手兼任野手コーチとしてプレーし、人気を博した。

 99~02年までヤクルトでプレーし、01年にはチームの日本一に大きく貢献したロベルト・ペタジーニは、同年に本塁打と打点の2冠に輝き、MVPも受賞している。03年には巨人に移籍して2年間プレーしたが、その後はメジャーへ。ボストン・レッドソックスやシアトル・マリナーズに在籍した。10年にソフトバンク入りを果たし、6年ぶりに日本球界復帰となったが、81試合で打率.261、10本塁打、41打点と振るわなかった。それでもNPBでの通算打率.312、233本塁打と輝かしい実績を残している。

 02年にオリックスに入団したフェルナンド・セギノールは、来日1年目に23本塁打を放ったが解雇。その後、ヤンキース傘下の3Aでプレーし、04年に日本球界に復帰。北海道日本ハムや東北楽天、最後は再びオリックスでプレーした。復帰1年目の04年に44本塁打を放って本塁打王を獲得。07年には日本記録となる通算7度目の左右両打席本塁打を記録したこともある。

 投手では、ロッテや巨人、ヤクルトなどでプレーしたブライアン・シコースキー、ソフトバンクや阪神、現在はロッテでプレーするジェイソン・スタンリッジ、13年に楽天に入団したレイらがいる。レイは同年オフに自由契約となり、台湾に渡りプレー。15年からまた楽天に復帰し、40代の投手としては初の開幕4戦4連勝を達成。しかし、16年にはまたも自由契約となってしまった。

 その他、03年に千葉ロッテに入団し、その後、西武や東北楽天などでプレーしたホセ・フェルナンデスは、米国の他、韓国やメキシカンリーグでもプレー経験がある。NPB通算では1253試合に出場して打率.282、206本塁打、772打点の成績を残した。

 99年に打率.369というハイアベレージで首位打者を獲得するなど、横浜ベイスターズでは打率3割台を8年で7度記録したロバート・ローズは、03年にロッテで復帰するも公式戦に出場すらせずキャンプ中に退団。2年間実戦経験がなく、そのブランクを埋めることができずに終わってしまった。

 かつて長嶋茂雄監督が背負った33番を着けてプレーすることが決まったマギー。同じ一塁と三塁のポジションには村田修一や阿部慎之助らがいる。主軸として活躍が期待される一方で、結果を残せなければバックアップ要員として終わる可能性もある。再び日本で活躍できるかどうか、まずはチーム内での競争に打ち勝つしかない。

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