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セの外国人選手MVPは広島のジョンソン、変わる起用方法【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は今季の外国人選手の通信簿(セリーグ編)についてだ。

2016/11/17

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セリーグで投手の外国人選手は25人

 投手陣 PRは、今季のセ・リーグの防御率(3.69)とその選手の防御率の差異に投球回数をかけて9で割ったもの。先発、救援の別なく投手の貢献度を図る数値だ。20以上でエース級。救援投手は10以上で合格点。

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 25人いる。
 少し前まで外国人選手と言えば、打者が中心。投手は制球力に難がある場合が多く、それほど多くなかったが、昨今はスカウト網が発達し、日本人向けの選手が来るようになった。また、韓国や日本の独立リーグなどで実績を積んでやってくる選手も増えた。

 広島のジョンソンのPR30.9は、セ・リーグ1位。抜群の成績だった。中継ぎのジャクソン、ヘーゲンズも広島優勝の原動力となった。

 巨人は、先発のマイルズ・マイコラスは故障がちだったが投げれば結果を残した。スコット・マシソンは例年通り高レベルの数字を残した。

 DeNAは、外国人投手4人がすべて防御率4点以上と期待を裏切った。

 阪神はランディ・メッセンジャーがタフな投球を続けている。ラファエル・ドリス、マルコス・マテオともに好投したが酷使によって戦線離脱した時期があった。

 ヤクルトは昨年のクローザーのトニー・バーネットがMLB移籍。あとを受けてローガン・オンドルセクが後ろに回ったが、首脳陣と対立してシーズン中に帰国。今季の不振の一因となった。

 中日はラウル・バルデスがまずまずの活躍だが、他の3人は信頼を得られなかった。

 こうしてみると、セの外国人選手MVPは、断トツで広島のクリス・ジョンソンだということがわかる

 外国人選手に、日本人選手と異なる期待をしたのは昔の話。年俸も日本人と大きく差がなくなり、「使えるならば使う」という姿勢が定着した。
 来季も多くの外国人選手が日本にやってくるだろう。

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