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カープV奪回のカギは、黒田のみにあらず――伝統のお家芸〝育成〟で若鯉に化学変化を!

黒田の復帰。前田健太の残留。2014年オフは、カープファンにとって喜ばしい報道が続いた。そして着実な補強によって、選手層はぐっと厚くなった。しかし、忘れてはならない。カープのチーム作りの原点は、〝若手の育成〟にあるということを。

2015/01/08

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カープ黄金期の象徴・サード争いは、高卒3年目の若手に期待

 野手陣では、菊池涼介、丸佳浩のキクマルコンビの存在に、強打の捕手・會澤翼の台頭があり、センターラインの強化には成功した。
 
 優勝への、最後のワンピースは、近年、固定できていないサードのポジションである。
 
 新井貴浩の移籍、栗原健太の故障、近年のカープはサードが固定できていない。
 やはり、強いカープには、強いサードである。
 
 ファンの頭には、あの栄光のサード衣笠祥雄が強く記憶されている。
 このオフ、カープに復帰した新井に与えられた背番号28は、衣笠氏が若き日に背負った番号である。カープは、「強いサード」を待ち望んでいるのだ。
 
 候補は少なくない。期待の大砲・堂林翔太、総合力の高い小窪哲也、ベテランの梵英心を起用する選択肢もある。もろん、新井のホットコーナー奪取も考えられる。
 
 そこに、楽しみな若手を加えたい。
 
 高卒3年目の美間優槻である。
 高校時代は鳴門工業では4番でエース、プロ入り後の野手転向だったが、順調に成長している。とにかく、ボールを恐れず向かっていく姿に首脳陣は注目する。
 
 内田順三前二軍監督も「肩の強さとボールを恐れない姿勢は評価できる。打撃もパワーがあります」と評価してきた。
 ピッチャー出身だけあって、肩は強い。だからこそ、「ボールを止めさえすればアウトにできる」と体を張って打球に向かっていく。
 丈夫な体、闘争心、パワーに強肩、彼には、カープ待望の「強いサード」に求められる要素が詰まっている。
 
 黒田博樹の復帰、前田健太の日本球界残留とカープには明るい話題が多い。
 そして、同時に若鯉たちが各ポジションで化学反応を起こし始めている。育成をお家芸とする球団だけに、このポイントも見逃してはいけない。

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