大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



FA解禁で糸井、平田、山口らの決断は? 過去5年以内、移籍した選手のその後の成績

日本シリーズが終了し、FAが解禁となる。今年度のFA有資格選手は88名。

2016/10/30

text By



涌井秀章と片岡治大、西武の投打の顔が移籍した13年

 過去5年以内で他球団にFA移籍した選手の成績を見てみよう。

 11年オフには、横浜から村田修一、福岡ソフトバンクホークスから杉内俊哉の2人が巨人に移籍。村田は移籍1年目の12年、打率.252、12本塁打と低迷したが、翌13年は打率.316、25本塁打と打棒が復活。14年には通算300本塁打を達成している。15年は怪我の影響もあり、移籍後初めて規定打席に届かなかったが、今季は打率.302、チームトップの25本塁打と81打点を挙げている。

 杉内は移籍1年目に12勝を挙げ、3年連続で2ケタ勝利を達成。現在は右股関節手術からの復帰を目指し、フェニックスリーグにも参加。来季へ巻き返しを図る。

 FAを行使して古巣に戻るケースもある。村田・杉内同様11年オフに小池正晃が中日から、鶴岡一成は巨人から共にDeNAへ移籍している。鶴岡はその後、阪神へ移籍。今季限りで引退した。

 12年オフには、寺原隼人がオリックスから古巣ソフトバンクへ移籍。14年には工藤公康(元西武など)、杉内に次いで史上3人目となる「13球団勝利(12球団+近鉄)」を達成している。移籍して4年が経ったが、15年の8勝(3敗)が最高の成績となっている。
 なお同じ年には阪神タイガースの平野恵一が古巣のオリックスに移籍している。しかし、移籍後3年間で思うような成績は残せず、14年の120試合に出場したのが最多となる。翌15年には現役を引退している。

 13年オフは、埼玉西武ライオンズから涌井秀章と片岡治大がFA宣言。涌井は千葉ロッテマリーンズ、片岡は巨人へそれぞれ移籍している。涌井は移籍1年目に8勝(12敗)を挙げ、15年は09年以来の最多勝となる15勝(9敗)、今季は10勝(7敗)と2年連続で2ケタ勝利を達成。涌井の連続2ケタ勝利は、西武時代の06~10年の5年連続2ケタ勝利以来となる。

 片岡は移籍1年目に126試合に出場したのが最高で、今季は故障で長期離脱となり、キャリア最少の32試合の出場に終わり、打率.222、盗塁も4つと精彩を欠いた。08~10年と3年連続で50盗塁と輝きを放っていた西武時代と比べ、かなり成績を落としているといえる。

 同年にはDeNAが阪神から久保康友を獲得し、移籍1年目は28試合で12勝(6敗)と好結果を残した。2年目の15年は21試合に登板して8勝(7敗)を挙げた。今季は15試合の登板で、5勝(8敗)と移籍3年目で初めて負けが先行した。

 中日からソフトバンクに加入した中田賢一は、移籍1年目の14年に2ケタの11勝(7敗)、翌15年は9勝(7敗)、今季は7勝(3敗)を挙げ、中日時代よりも安定した成績を残しているといえる。

 広島東洋カープから巨人に加入した大竹寛は、移籍1年目の14年に9勝(6敗)したものの、翌15年は3勝(4敗)と成績を落とし、今季は6勝(6敗)に終わった。

 また、小笠原道大が巨人から中日へ移籍。代打の切り札として活躍したが、翌15年に現役を引退している。

1 2 3