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CSでMVPを獲得した選手は日本シリーズでも活躍できるか? 

これまで田中や中田のようにCSで好成績を残した選手は、その先の日本シリーズでどんな活躍を残しているのだろうか。

2016/10/18

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過去、田中将大や和田一浩は日本シリーズでも活躍

 CSでMVPを獲得した勢いそのままに日本シリーズでも活躍した選手として、13年の楽天・田中将大(現ヤンキース)がいる。田中はロッテとのファイナルシリーズ第1戦で9回7安打無失点、9奪三振の快投。120球を投げ完封勝利を挙げた。さらに、第4戦の9回には中3日でリリーフとしてマウンドに上がり、レギュラーシーズンの優勝決定試合に続き、2回目の胴上げ投手となった。

 田中は、巨人との日本シリーズでも第2戦に登板して9回3安打1失点で完投勝利。2ケタの12三振を奪った。しかし、第6戦では7三振を奪いながら4失点を献上し敗戦投手に。雪辱を期すため臨んだ翌日の第7戦では9回にリリーフ登板し2奪三振。プロ入りして初めて連投した田中は今季3回目の胴上げ投手となり、楽天を球団創設初の日本一に導いた。

 10年の中日・和田一浩は、巨人とのファイナルシリーズ第4戦の9回、左越えのサヨナラ適時打でMVP。日本シリーズでも7試合で打率.414(29打数12安打)1本塁打6打点を挙げた。チームは日本一を逃したが、和田は敢闘選手賞を受賞している。

 ソフトバンク内川は唯一2度CSでMVPを獲得している選手だ。11年は西武とのCSファイナル3試合で打率.455をマーク。同年の日本シリーズでは第6戦と第7戦で適時打を放ち特別賞を受賞している。

 15年はロッテとのCSファイナル3試合で12打数5安打、打率.417、4打点。第1戦でのサヨナラ適時打に続き、第2戦では勝ち越し打を放つ活躍。日本シリーズ出場を決めた第3戦では先制打を打ち、CS史上初の3試合連続の勝利打点を挙げた。

 まさに“シリーズ男”の内川だが、第1戦の守備の際にファウルグラウンドのフェンスに衝突し、左肋骨(ろっこつ)を骨折。全治3週間の怪我を負ってしまう。CS期間中は痛みに耐えてプレーしていたが、内川はその後の日本シリーズ全試合を欠場。本人にとっては悔しい結果となってしまった。

 CSで活躍したものの、日本シリーズで結果を残せなかったのがヤクルトの川端慎吾だ。15年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、巨人とのCSファイナルでも4試合で15打数7安打、打率.467と恐怖の2番打者として活躍。しかし、日本シリーズに入ると強力ソフトバンク投手陣に抑えられ、5試合で18打数3安打、打率.167と本来の力を発揮できず、チームも14年ぶりの日本一を逃した。

セパの頂点に登りつめた広島と日本ハムは、日本シリーズでは初めての顔合わせとなる。CSでMVPを獲得した田中と中田は頂上決戦でも好調を維持できるか。2人の活躍が日本一の行方を左右する。

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