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原前監督時代からの脱却――新生・巨人の構築へドラフト補強ポイント【死亡遊戯コラム】

2016年レギュラーシーズンは2位を死守したが、クライマックスシリーズファーストステージで横浜DeNAベイスターズに敗れた読売ジャイアンツ。来季以降、選手層をいかに厚くしていけるかがポイントだ。果たして、20日に行われるドラフト会議ではどのような選手を指名し、交渉権を獲得できるだろうか。

2016/10/14

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現在の巨人の補強ポイント

さて1週間後に迫った2016年ドラフト会議だが、現在の巨人の補強ポイントは大きく分けて4つある。

1.将来的にローテの軸になれる先発投手

CSでエース菅野智之が体調不良で離脱すると、負けたら終わりの第3戦に先発したのはピークを過ぎた内海だった。
ここ数年の菅野依存と言っても過言ではない巨人ローテ事情。
高卒3年目の田口麗斗が2ケタ勝利と躍進したが、数年後に菅野とともに「柱」になれる本格派の先発投手を獲得したい。
近年は弱気とも思える指名が多い巨人だが、今年は田中正義(創価大)や佐々木千隼(桜美林大)といった投手に競合覚悟で1位入札するか注目される。

2.即戦力の中継ぎ左腕

原巨人時代は、山口鉄也、スコット・マシソン、西村健太朗といった強力ブルペン陣で接戦に競り勝っていた印象があるが、今季は頼みの山口がプロ野球新記録の9年連続60試合登板を達成するも防御率4.88と絶不調。
勤続疲労からか年々成績を落としており、来季は左打者相手のワンポイント起用も増えるはずだ。
そして、昨年までデビュー以来139戦無敗と存在感を見せていた中継ぎサウスポー高木京介も賭博事件関与で解雇。
若手投手を見渡しても、1軍で実績のある左の中継ぎ投手は2年目の戸根千明ぐらいしか見当たらず、今年のドラフトでは「即戦力左腕」が大きなテーマになってくるだろう。

3.小林誠司と争える20代の捕手

今季3年目、27歳の小林誠司がプロ3年目で自身最多の129試合に出場。昨季70試合から大きく出場機会を増やしたのと同時に、規定打席到達者最下位の打率.204と課題も残した。
満身創痍の阿部の捕手復帰は来季も難しく、相川亮二は40歳、実松一成と加藤健も35歳と高齢化。
この2年間、1軍で捕手として守備に就いた20代の選手は小林誠司のみというのが実状だ。
昨年のドラフトでは打撃を評価してドラフト4位ルーキー宇佐見真吾(城西国際大)を指名するも、イースタンで打率1割台とプロの壁に苦しんだ。
2軍で伸び悩む20代中盤の鬼屋敷正人や河野元貴に刺激を与え、将来的に小林とレギュラーを争える捕手を育成したいところだ。

4.20代前半の大型外野手

残念ながら、長年期待された中井大介(9年目)や大田泰示(8年目)は年齢的にも、ここから飛躍的に成長するとは考えにくい。
彼らに代わる新世代の大型野手として14年ドラ1スラッガー岡本和真が期待されているが、外野手に目を向けると支配下登録の20代前半外野手は俊足タイプの重信のみと極端な人材不足だ。
長野久義や亀井善行といった主軸も30代を迎えており、森山恵佑(専修大)のような若さとパワー溢れる大型外野手を指名したい。

今の巨人は新人選手にとってはチャンスだろう。
世代交代の真っ只中。一時期のような圧倒的戦力を誇っていたチーム事情とは違い、付け入る隙はいくらでもある。
原監督時代の遺産でなんとか2位を確保した2016年シーズン。
来季、新生巨人を象徴する「由伸チルドレン」と呼ばれるような新人選手は出現するだろうか?

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