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【セパ・CSファイナル展望】王者優位動かず、DeNAとソフトバンクは打線奮起が必至

12日よりいよいよクライマックスシリーズファイナルステージが開幕する。セ・パともに地の利を活かせて、かつ1勝のアドバンテージを得ている王者が優位なのは変わらない。

2016/10/12

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日本ハムはフォークが武器の先発4人ズラリ

<パリーグ>1位・日本ハム(15勝1分)ー2位・ソフトバンク(9勝1分) 札幌ドーム 

 パ覇者の日本ハムがソフトバンクを迎え撃つ。日本ハムが今季15勝9敗と大きく勝ち越してはいるものの、札幌ドームでは5勝6敗。勝負の行方は最後まで分からない。フォークが苦手とされるソフトバンク打線が、フォークが持ち味の日本ハム投手陣を打ち崩せるか。

 日本ハムの初戦先発は大谷翔平と発表されている。リーグ優勝を決めたピッチングは記憶に新しく、エースとしての信頼感あるピッチングに期待したい。そのリーグ優勝決定試合では、フォークをあまり使わなかったが、この試合ではどうなのかも気になるところだ。2戦目は有原航平、3戦目は増井浩俊、4戦目は高梨裕稔と予想する。いずれもフォークを持ち球にしている投手が居並ぶ。もし、これが意図したものだとしたら、栗山英樹采配もなかなか憎らしいといえる。その徹底ぶりは采配としては間違っていない。危惧するところがあるとすれば、有原が終盤戦、あまり状態が良くなかったところだ。最終登板となった9月22日のソフトバンク戦で6回2失点勝利投手。これが復調の兆しとなったかどうか。増井は先発投手としてのソフトバンク戦に登板はないが、リーグ戦のピッチングなら、間違いなくやれるはずだ。高梨はソフトバンク戦3勝(救援含む)防御率1点台とめっぽう強い。

 打線は、大谷の打者起用が気になるところだ。ソフトバンク戦9本塁打はチームトップで打率も4割を超えている。初戦に先発するため、打者として出場なら3、4戦目からか。カギを握るのは1、2番を務めることになりそうな西川遥輝だ。ソフトバンク戦の盗塁が8個あり、かなりかき回している。彼の出塁でソフトバンク投手陣を崩していけるだろう。ソフトバンク戦8本塁打のレアードが下位に控えるのも大きい。とはいえ、打ち合いに持ち込むより、投手戦に持ち込むほうが分はあるとみる。守護神マーティンも復帰のめどが立ち、準備は整っている。

ホークス、柳田が目覚めるか

 一方のソフトバンクは左腕エースの和田毅の復帰が絶望的になった。それでも投手陣は厚く心配はないだろう。いかに打線が日本ハム投手陣を打ち崩すかだ。

 初戦の先発は武田翔太が上がる。ファーストステージの登板をあえて回避して、満を持しての登板だ。対戦成績は今季2敗と分は悪いが、もう1ランク上の投手になっていくためには大事な舞台だ。相手先発が同じ侍JAPAN同士とあって負けられないはずだ。武田のカーブでバッティングの軸を崩し、その後の戦いにもつなげていきたい。2戦目は中田賢一、東浜巨か攝津正か。中田、東浜はクイックが速く、西川の足攻封じにはもってこいだが、果たしてどうか。しぶとい打線にどこまで粘れるかだろう。また展開によっては東浜を飛ばし、中5日で千賀滉大、バンデンハークを投入してくる可能性もある。そこはセと同じで、展開次第になってくる。

 打線はかなり頑張らないといけない。ファーストステージは常に先手を取られる展開で、どちらかというと精神性の戦いだった。「負けられない」戦いで切羽詰まるものもあっただろう。それでも押し切ることができたのは前向きに捉えられる。ファイナルではぶつかっていくだけだ。ありきたりだが、キーマンになるのは柳田悠岐だ。ファーストステージから復帰したが、彼の復調でさらなる上積みが期待できる。中村晃、本多雄一で作ったチャンスを広げるだけでなく、好調の内川聖一も生きてくるはずだ。乗ったら怖い松田宣浩、業師の長谷川勇也、明石健志、大舞台に強い今宮健太と役者はそろっている。相手は、今季、苦手としてきた投手が先発してくるが、11.5差を逆転された屈辱は、ここで返すしかない。ソフトバンクの底力を見せるときだ。

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