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広島・ジョンソン、52年ぶり外国人沢村賞投手なるか。野村と球団初同時最多勝の可能性も

広島東洋カープ25年ぶりの優勝へ導いたクリス・ジョンソン。残り1試合の登板で個人タイトルの可能性が残されている。

2016/09/22

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外国人投手が沢村賞を獲得すれば52年ぶり

 ジョンソンは、先発完投型の投手に贈られる最高の栄誉「沢村賞」の筆頭候補でもある。受賞すれば、外国人投手としては1964年のジーン・バッキ―(阪神)以来52年ぶりの快挙だ。

 バッキ―は得意のナックルを武器に実働8年(阪神7年、近鉄1年)で100勝80敗という成績を挙げた右腕。日本でプレーした外国人投手で通算100勝以上を挙げたのは3人で、スタンカ(南海~大洋で100勝)、郭泰源(西武で117勝)と、このバッキ―だけだ。

 62年にテスト生で阪神に入団したバッキ―は、来日3年目の64年に29勝(9敗)を挙げて最多勝、防御率は1.89で最優秀防御率のタイトルを獲得。この年に沢村賞を受賞している。ジョンソンが受賞すれば、バッキ―よりも早い来日2年目での受賞となる。

 現在、沢村賞の選考基準7項目のうち、ジョンソンがクリアしているのは勝利数(15勝以上)、防御率(2.50以下)、登板数(25試合以上)、勝率(6割以上)の4項目だ。

 今季はここまで3完投、投球回数が173回1/3なので、完投数(10完投以上)と投球回数(200回以上)をクリアするのは不可能な状況であるが、奪三振数は残り1試合でクリアする可能性がある。

 現在、奪三振数は139個。奪三振数150個以上が沢村賞の選考基準となるため、残り11三振を奪えば到達する。13日の中日戦(ナゴヤドーム)では7回無失点、12奪三振の好投を演じて15勝目を挙げているだけに、可能性は十分にある。

 地元・広島で迎えるクライマックスシリーズファイナルステージでも活躍が期待されるジョンソン。本拠地マツダスタジアムではここまで8勝1敗、防御率1.79と相性抜群だ。文字通り球団史上最強の外国人投手になりつつある左腕は、チームを25年ぶりの日本シリーズ出場へと導く。

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