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中日・谷繁監督の休養劇から見る、GM制の是非【小宮山悟の眼】

今季、中日ドラゴンズはシーズン途中で谷繁監督の休養を発表する事態となった。その一方で、落合博満GMにも責任を求める声がファンなどから上がっているという。

2016/09/28

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谷繁監督の休養は残念だが……

 去る8月9日、中日ドラゴンズの谷繁元信監督の休養が発表された。
 今季の中日は、前半戦こそ、前評判の低さに反して健闘したが、7月以降に大失速。一気に最下位に沈んだ。
 谷繁監督の休養は、成績不振による事実上の解任と言っていいだろう。ちなみに、監督休養後も成績は振るわず、9月28日時点で最下位のままだ。
 
 この休養劇に関し、ファンの間では「落合博満GMも責任を取るべきだ」という声が上がっているそうだ。谷繁元監督と落合GMの確執は、以前から表沙汰になっていたので、喧嘩両成敗という意味で、「落合GMも辞めるべき」という意見になったのだろう。
 
 この件に関する私の見解を述べたい。
 
 まず、谷繁元監督が休養したこと自体は残念に思う。今年の春のキャンプでは、「(前評判を覆し)アッと言わせたい」と意気込んでいた。残念ながら、他球団と比べ見劣りする感のある戦力で、シーズン序盤はそれなりの成績を残していたので、惜しかったとも思う。
 谷繁元監督とは、個人的に親交があり、落合GMとのことは、表沙汰になるかなり以前から聞いていたので、さぞ無念だったろうとも思う。
 
 だが、中日球団が下した判断について、私は間違っていなかったと考える。
 中日の敗因が、戦力不足であることは明らかだ。失礼な言い方かもしれないが、今季のメンバーでは、どう戦っても優勝できない。それは落合GMも承知しているはずだ。
 本来ならば、その明らかな問題に対して、GMと監督が手を取り合って立ち向かわなければいけないのに、この2人の場合は、反目し合ってしまった。
 お互いへのリスペクトもなく、もはや関係の修復不可能。球団の最高権力者であるオーナーは、そう判断し、最終的に落合GMのほうを取ると決断を下したわけだ。
 
 つまり落合GMは、パワーゲームに勝ったということ。責任があるかないかというのは、少し違う話になる。責任論を超えた次元で権力闘争の決着がついたのだ。この休養劇に関して、「一緒に責任を取れ」と落合GMを批判するのは、論点がずれていると思う。

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