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「マエケンの背中を追いかけてステップアップしてほしい」――カープが託す大瀬良大地への期待

アマ球界ナンバーワンとして入団した大瀬良大地は、見事その期待に応え、1年目からカープの先発ローテーションを守り10勝をマーク。セリーグの新人王に輝いた。そんな大瀬良に対して、球団は大きな期待を懸けている。

2014/12/10

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勝てない時期を経験し、プロ野球の1年を戦い抜く「術」をつかむ

 全力のボールを投げ続けることだけではない。
 己を常にピークの状態に置くだけでもない。プロ野球の1年を戦い抜く「術」を自分の手でつかんだ。

 8月16日のジャイアンツ戦で2カ月ぶりの勝利投手となると、大瀬良は確実にワンランク上の投手になっていた。シーズン終盤にはプロ初完封も達成し、10勝に到達しシーズンを終えた。

 10勝8敗、防御率4.05、ルーキーとしては実に堂々たる数字である。新人王にも輝いた。

 ただ、彼は、さらなる高みを見据えている。

「新人王は光栄ですが、防御率が高いのは自分では納得できていません。勝てない2カ月は、肉体的にも精神的にもつらかったです。そこが、次に向けての課題です。年間を通して自分の調子で投げられるようにしたいです」

 11月、秋季キャンプから次なる戦いは始まった。

投球の幅を広げるべく、新球のスプリットのマスターに着手した。初回の失点の多さ、先頭打者へのファーボールなど課題も明確に把握している。

 契約更改の席で、球団は大瀬良にこう言った。

「いずれはエースになる力があると思っている。マエケンの背中をしっかり追いかけてステップアップしてほしい」

 エースの背中は、ゴールデンルーキーにとって最高の教材であった。

 その背中こそが、大瀬良の支えであった。ただ、その背中が大きく見えた時、カープ投手陣の黄金時代の新たな幕が開けるだろう。

「周囲の期待も大きくなっていくでしょうし、僕もさらに頑張ります」

 どんなにハードルが上がろうと、大瀬良大地は軽々と飛び越えていくだろう。あの愛嬌たっぷりの笑顔で……。

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