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ロッテ・平沢大河、潜在能力の高さを証明した場外弾。フレッシュオールスター「MVPを狙う!」【マリーンズ浦和ファーム通信#24】

ロッテのドラ1ルーキー平沢大河が7月14日、岡山マスカットスタジアムにて行われるフレッシュオールスターに出場する。6月には二軍戦で場外弾を放つなど、着実に成長を遂げている。

2016/07/11

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千葉ロッテマリーンズ



オコエと食事の約束をしていたが……

 ここまで一軍を経験したのは5月の10日間のみ。結果を残すことができず、二軍に落ちてきた。必要なのは、一軍のストレートに負けないスイングを身につけること。剛速球に振り負けない強烈なスイングと、安定したミート力を備え付けるべく、徹底的な振り込みを繰り返してきた。

「まだ自分はそのレベルに達していなかったということ。一軍の投手のストレートのキレが違う。それに対してスイングで振り負けないようにしないといけない。パワーも全然、足りない。人よりもバットを振って、ボールを打って、ミート力も上げないといけない。練習をして一日一日、少しでも前に進まないといけないと思いました」

 二軍落ちした時、平沢はそう自己分析した。
 その成果は徐々に結果に結びついてきている。それに対して本人も手ごたえとして感じている。同じ年のライバルとしてクローズアップされるイーグルスのオコエ瑠偉が一軍で活躍する中で、焦ることなく自分に課せられた課題を一つひとつ克服している。

 ただ、悔しい思いがないといえば嘘になる。山形でイーグルスとの二軍戦が行われた5月28日、29日の2連戦。同じく二軍戦で出場予定だったオコエと食事に行く約束をしていた。しかし、それは実現されることはなかった。

 その直前、オコエは一軍に昇格した。断りの連絡を受け入れるしかない自分がいた。そしてオコエは5月31日の阪神戦で初安打。さらに翌日の試合ではタイムリーを挙げた。寮の自室でスマホを見ながらライバルの情報を知った。「刺激になる。負けられないという思いになる」。あえて悔しさは押し殺した。この思いをエネルギーに変える。それしかないと自分に言い聞かせた。

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