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【7月1日~3日セ・パ第22節展望】首位攻防戦を勝ち越したホークス、和田は両リーグ最速10勝目なるか

2016年7月1日~7月3日までの第22節、勝負のポイントはどこにあるか。

2016/07/01

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<パリーグ>

5位・楽天(5勝1分)-4位・西武(5勝1分)Koboスタ宮城

 上位をうかがう楽天にとって負けられない3連戦となる。対戦成績は五分だが、ホームでは4勝と圧倒的に押している。初戦先発は則本が上がる。西武戦はすでに4試合登板があり、1勝1敗防御率は2.55と安定した数字を残している。美馬、戸村と続く投手陣に弾みをつけたいところだ。打線は売り出し中の内田が前節で2号本塁打を放った。右の強打者の登場はチームにとっても大きいはずだ。相手の初戦先発・高橋光とは高校時代以来の対戦で楽しみな対決だ。1番に岡島を戻し、打線は活気を取り戻しつつある。エースが登板する節であり、上をうかがう意味でも最低は勝ち越しだ。

 

 西武は投手陣が壊滅状態で、踏ん張り切れない弱さを露呈している。その中での先発は先週に引き続いて、高橋光が上がる。5月26日の登板では、楽天を相手に完封勝利を挙げている。相手エースとの対決で制することができれば自信につながるはずだ。2戦目は野上、3戦目は多和田の予定だ。先発投手陣の不調で、今でもローテを務めている二人だが、期待に即した登板を見せているわけではない。菊池が球宴後に復帰すると考えると、立場が危うくなる。そろそろ、信頼を得たいところだ。打線は今節から中村剛也が復帰する。主砲が打線に入るのは嬉しい限りだが、もともと打線は悪いわけではない。どう勝利を手繰り寄せていくか、指揮官の腕が問われ始めている。

 

1位・ソフトバンク(5勝1分)ー3位・日本ハム(5勝1分)ヤフオクドーム

 2位ロッテとの戦いを終えたソフトバンクは、今節は3位・日本ハムの挑戦を受ける。リーグにとって大事な戦いになる。ソフトバンクは初戦の先発に両リーグ最速の10勝目が懸かる和田が立つ。現在3連勝中で安定している。2戦目は好調の東浜が務める予定だ。前回登板で黒星がついたとはいえ、5試合連続QSを達成している。打線の方は、前節のロッテ戦で5点差を逆転するなど、終盤の強さを見せつけた。1番今宮の調子が良く、4番・内川が勝負強い。柳田や松田、回りを打つ選手のレベルも高いが、打の破壊力だけに目を奪われていては、ロッテの二の舞を食らう。まずは足を止めること先決だ。

 

 一方の日本ハムは、先発に若い3人をぶつける。このチャレンジは、いろんな意味で、楽しみといえるだろう。初戦は3年目の高梨だ。開幕からは中継ぎ登板が続いていたが、交流戦終盤から先発の一角を担っている。ソフトバンクを相手にどんなピッチングを見せるか。フォークの出来がカギを握る。2、3戦目は有原と大谷で勝負を懸ける。チームトップタイの7勝を挙げる二人がソフトバンクに対峙し、どんなピッチングを見せるのか、ワクワクする対決だ。打線の方はこの2戦、主砲の中田が欠場したが、陽が好調で、田中賢、レアードが振れている。若い岡が打線に貴重な戦力となるなど、厚みを加えられている。スタメン復帰する中田が復調すれば、鬼に金棒だ。先発投手陣ではやや日本ハムが優勢とみる。オールスター前のキーポイントになる戦いだ。

 

2位・ロッテ(7勝)-6位・オリックス(4勝) QVCマリン

 土日の2連戦の戦いとなる。ロッテは前節、ソフトバンクに負け越したが、最下位オリックスに連勝してショックから立ち直りたい。初戦の先発は石川があがる。前回の西武戦では5回5失点したものの、チームが逆転して勝ちを拾った。今回はピリッとした投球を見せたい。オリックス戦は今季初登板となるが、左打者が多い打線だけに、シンカーがカギを握る。2戦目はスタンリッジの予定だ。さほど内容は良くないが、3連勝中と勝ち運を持っている。打線は首位打者をひた走る角中の起用がカギを握る。細谷の調子がやや落ちてきただけに、1番抜擢も視野に入れたい。もともと、1、2番タイプと自負するだけに、選択肢としてはありだろう。下位を打つ、田村と加藤の調子がいいだけに、下位で作った好機を角中で還すというパターンもできる。デスパイネ、ナバーロの両外国人が振れているのも大きい。打線については大きな心配はない。

 

 オリックスは沖縄遠征から2日空けて万全の体制を整えている。先発は1戦目が松葉、2戦目がディクソンだろう。松葉は前回登板で4回途中自責点6で降板。今季初めてノックアウトを食らった。そういうときだけに、今回登板ではしっかりゲームメークしたい。なかなか本来のピッチングができていないディクソンだが、ロッテ戦では今季、完投勝利を挙げている。きっかけをつかみたいところだ。打線は打順をコロコロと変える采配がチームの不安定さを生んでいる。前々節から1番にルーキーの大城を起用しているが、どこまで指揮官が我慢できるか。もう少し選手がプレーしやすい環境を整えてほしいものだ。打線はオールスターにチームで唯一選出された糸井の調子が落ちず、西野、T-岡田田らの状態は悪くない。いかに糸井を生かしていくか。

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