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ヤクルト、不名誉な46年ぶり”2ケタ勝利ゼロ”。来季巻き返しへ真中監督「オフの補強は投手中心」【新・燕軍戦記#32】

セリーグ連覇の夢破れ、クライマックスシリーズ進出も逃し、Bクラスの5位に沈んだ今季の東京ヤクルトスワローズ。46年ぶりに2ケタ勝利ゼロに終わった投手陣をどう立て直すのか──それこそが来シーズンの巻き返しのカギを握る。

2016/10/02

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チーム防御率は球団ワースト記録に迫る4.73

 64勝78敗1分、勝率.451──。セリーグ連覇の夢破れ、終盤まで望みをつないだクライマックスシリーズ進出もならず。4位の座をかけて臨んだ10月1日の広島戦(マツダ)も1対3で敗れ、ヤクルトはリーグ5位で2016年シーズンを終えた。

「自分の思い描いていたとおりではないですね。特に投手。先発もそうですし、中継ぎ、抑えと、力を発揮できなかったということに尽きると思います」

 真中満監督が振り返るとおり、Bクラス転落の要因は投手陣にあったと言わざるをえない。チーム防御率4.73は両リーグワースト。シーズン最終戦で自責点6以上であれば、球団ワースト記録(4.76=1984年)を塗り替えてしまうところだった。

 先発がなかなか試合をつくることができず、クオリティ・スタート(QS)は両リーグ最少の59試合(QS率41.3%)。昨季13勝の石川雅規と同11勝の小川泰弘はともに8勝どまりで、救援も含め彼ら以上の勝ち星を挙げた投手はおらず「2ケタ勝利ゼロ」という不名誉な記録を作ってしまった。

 1950年に国鉄スワローズとして産声を上げて以降、創設29年目に初優勝するまではほぼBクラスが定位置だったヤクルトだが、国鉄時代の金田正一(2ケタ勝利14回)に始まり、石戸四六(同4回)、松岡弘(同10回)、尾花高夫(同6回)、川崎憲次郎(同4回)、石井一久(同6回)、そして石川(同11回)らがエースの系譜を継いできたことで、2ケタ勝利が皆無というシーズンはまったくといっていいほどなかった。

 実際、球団史を紐解いても過去にはわずか1度だけ。今もセリーグ記録として残る16連敗を喫するなど、33勝92敗5分(当時はシーズン130試合制)で球団史上最低の勝率.264に終わった1970年しかない(石岡康三と浅野啓司の6勝が最多)。だから今年の「2ケタ勝利ゼロ」は、ヤクルトにとって46年ぶりの屈辱ということになる。

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