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ホークス岩嵜「6人目が必要なときが来るはず」。中継ぎで結果残し、自ら手繰り寄せた先発の座

6月30日千葉ロッテマリーンズ戦で今季初先発のマウンドに上がったホークス・岩嵜翔。中継ぎで結果を出し、首脳陣の信頼を勝ち取ってのものだった。

2016/07/01

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工藤監督「彼の能力からしたらまだ8割くらい」

 2016年、開幕ローテーションに入れず2軍にいた春先、「6人目が必要なときが来るはず」と、ただそのときのために準備をしてきた。150キロを超えるストレートにカーブ、スライダー、フォーク。持っているものは素晴らしい。あとはそれらをマウンドで発揮できるようにしなければ。

 オフのトレーニングからこだわってきた「強い真っ直ぐ」、一番求めてきた「球のキレ」。信頼を得られるだけの要素が投球の随所に表れ始めたのは、中継ぎとして登板し、思い切り腕を触れるようになってから。そうして手繰り寄せたのが、今季初先発だった。

 約1年ぶりの先発マウンド、対するロッテの先発は唐川侑己。同じ千葉県出身で、07年高校生ドラフト1巡目入団の同級生だ。初回に失点しながらも、すぐに追いついてもらい、3回には逆転に成功。6回2/3、120球を投げて被安打3、1失点で勝ち投手となった。

「途中でバテていたけど、気持ちで負けないようにいけた。中継ぎで結果が出ていたので、自信を持って投げられた」

 そう振り返った。工藤監督は「彼のポテンシャルからすると、まだ8割くらい」と評価する。

 投げ合った唐川については「がむしゃらに投げていたので、唐川がどうこうという余裕はなかった。ただ、先発って楽しいなと思いました」と話す。

 先発では今季1勝目。まだ次の確約があるわけではない。それは本人も自覚している。確かなのは、その表情が自信に満ち溢れていること。「久々の先発だったので楽しかった」とは心からの言葉だ。それだけこだわってきた先発マウンド。今まで足りなかったものを見つけられたのではないだろうか。バンデンハーク、攝津、大隣……先発復帰を目指す実績ある投手は多いが、このまま“らしさ”を出し続け、「エース・岩嵜」を確立してほしい。

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