大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » プロ野球最新情報 » ソフトバンク » ホークス岩嵜「6人目が必要なときが来るはず」。中継ぎで結果残し、自ら手繰り寄せた先発の座

ホークス岩嵜「6人目が必要なときが来るはず」。中継ぎで結果残し、自ら手繰り寄せた先発の座

6月30日千葉ロッテマリーンズ戦で今季初先発のマウンドに上がったホークス・岩嵜翔。中継ぎで結果を出し、首脳陣の信頼を勝ち取ってのものだった。

2016/07/01

text By



ようやく手に入れた先発のチャンス

 2年連続で交流戦最高勝率をマークしたソフトバンク。リーグ戦再開後、2位ロッテとの直接対決を2勝1敗とし、ゲーム差は8.5で首位を独走している。チーム防御率3.07はリーグ断トツの1位。先発ローテーションは開幕時から入れ替わりもあったが、そこで登板した投手はチャンスを逃すまいと好投を見せ、勝ち星をあげている。

 そのうちの一人が9年目の本格派右腕、岩嵜翔だ。

 6月30日、今季初先発のマウンドにあがった岩嵜。5月8日に1軍昇格し、ここまで中継ぎとして15試合に登板してきた。1勝0敗1セーブ、防御率0.82と安定した投球で、負け試合から接戦、勝ち試合での登板へと変わり、結果を出してきた。そうして信頼を得て勝ち取った先発マウンド。本来なら6勝をあげているバンデンハークの枠だが、疲労蓄積によって6月1日に抹消され、現在も首の状態が万全ではない。そこで山田大樹に続いて、先発のチャンスが巡ってきたというわけだ。

 ただ、すんなりとこのまっさらなマウンドを手に入れたわけではない。

 07年高校生ドラフト1巡目で入団後、毎年1軍登板は果たすも、定着できずにいた。初勝利は11年5月13日の西武戦。4年目での初勝利にお立ち台では思わず涙しながらも、「いずれはホークスのエースと言われるように」と宣言してみせた。13年には中継ぎとして起用され、自己最多の47試合に登板。しかし翌年は18試合に登板し(うち先発9試合)4勝1敗と思うような結果を出すことができなかった。

 この年、ホークスは日本一に輝き、主力選手は年明けにハワイでの優勝旅行を満喫した。その頃、岩嵜は常夏のハワイとは正反対の寒波が押し寄せる福岡県内で自主トレをスタート。「今までと同じことをやっていては、また同じ結果になってしまう」と自分を追い込みながらも、ふと「今頃みんなハワイで楽しんでるのかなぁ」とつぶやいた。普段、なかなか感情を表に出さない岩嵜が、いたずらっぽく笑っていたのを思い出す。

1 2